KOYA(マニラで子供らと遊ぶ)

庶民エリアにコミュニティスペースを作ってみた。

『抗体検査』を戦略に取り入れられないか?

3/22の雑感(本題は最後1/3です)

前日に考えた『ビレッジ内で支援物資を集め、隣の集落に毎日届ける』というプラン。大家さんに話をしたらアソシエーションが認めないだろう・・て。加えてビレッジの出入りが明日から許可制になると知らされる。1家族1枚の許可証。ただし外出時間は今まで通りなので交代ででれば特に問題はないだろう。

それより隣の集落。外出が6AM~10AMの4時間に制限されたみたい。僕が午前と午後にスーパーマーケットの様子をみてきたら、午前は凄い行列。だったが午後4時頃は1つのスーパーがそれなりに空いていた。店に入るのも並ばず。レジも1人くらい待つ程度。


集落の人達はこれでスーパーマーケットに買物に行くことも難しくなった。集落内で感染者が出たから厳しくしたい気持ちは分からなくはないが、自宅軟禁状態は強いストレスになり免疫力を下げる。そして外出時間が同じだとみんなが集中するので人との接触が生まれる。非合理的な方法だと思う。

ジプニーやトライシクルなどの庶民の足はなくなり、炎天下とおくのスーパーまで歩かなくてはいけない。家族の買物をまとめて終えると荷物は重くなり、その状態でまた炎天下を帰る。新コロに感染しなくても熱中症で倒れるリスクは高くなっていると思う。

 

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いま新型コロナウイルスに関して主に2つの戦略がある。

A:集団免疫。B:封じ込め。

イギリスが目指したのはAだが、いっきにしようとしたので、軌道修正してる感じ。日本も完全にA。感染者があまり増えない状態になってきたので徐々に自粛を解除して、少しずつ感染者(といっても無症状も含む) を増やし、多くが免疫をもったところで集団免疫の達成となる(詳しい理屈はここでは省略)

フィリピンが取っているのはBだと思う。

まずメトロマニラを封鎖したかと思ったら、各エリアからも出るのを制限するようになって、公共交通機関はすべて止まるわ、外出制限はかかるは『まるで戦時中』のような体制です。

そしてこの戦略の難しいところは『ピークを遅らせる効果しかない』と見られている点。もちろん過去のウイルスで封じ込めが出来たケースもありますが、新コロが世界中に広がっていることを考えると今回は無理だと専門家はみているようです。

それで『ピークを遅らせることで何が良いか?』と言われているのが、時間を稼いで医療体制を整える。であったり、山をなだらかにして医療崩壊を防ぐとか、ピークをインフルエンザ等のピークとずらすことで医療崩壊を防ぐとか、あとワクチンができるまで粘る・・・なんてことも言われています。

ですが、フィリピンはもともと医療が脆弱で、封鎖自体は感染者を増やさないことに貢献すると思いますが、それと同時に経済も脆弱なので、その悪影響も軽視できません。


仮に封鎖が1ヶ月限定なら、まだ何とか持ちこたえられるかもしませんが、なんせ封じ込めは難しい訳ですから、1ヶ月後にまだ感染者がそれなりに残っていることは十分に考えられます。そこで封鎖を解けば、基本的には封鎖をしなかったこととそれほどかわりがなくなります、時期が1ヶ月ずれただけというイメージ(を僕は持っています) もちろん感染者がどくらいいるかにもよりますが、また仮に感染者が0にできても、海外に感染者がいるなら鎖国は当分つづけることになるでしょう。


なんせ、ほとんどが感染していない訳で、それはつまり抗体がない訳ですから・・・。

またワクチンは早くても1年以上と言われています。もちろんできても量産しフィリピン人の多くが摂取するまでにはまた時間がかるでしょう。それまで封鎖できます??

僕は経済的なダメージだけではなく暴動もおきるのではと心配しています。

フィリピンにとって最悪のシナリオとは - フィリピン考察記



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さてやっと本題です。

では、僕はフィリピンは徐々に経済活動を再開し、ウイルスの被害を覚悟する必要があると思っています。その際に、できるだけ被害をおさえつつ、どこから動き出すべきか?と考えた時に『抗体』が思い浮かんだ訳です。

通常、ウイルスに感染すると免疫機能は働き、ウイルスと戦う訳です。その時に抗体が作られ、次回からは同じウイルスからの攻撃に強くなる訳です。ワクチンとかもそれ。

そして今回のウイルスの特徴としては健康な若者に限定していえば全く怖くないウイルスということ。重篤化する率もかなり低いですし症状が出ない人もいる。ただ若者が感染することで高齢者などリスクの高い人にうつすことが懸念されています。

であるなら『わざと感染してもOKな人達をグループ別に隔離して労働してもらい』・・・その上で感染した場合に療養とかをしてもらって抗体を獲得した暁には、いろんな場面で活躍してもらうというのはどうかな??

その前提として『抗体検査』があって、様々な感染症はどのくらいの抗体があるかを検査できるようで、それを元にワクチンを追加するかを決めたりするみたい。新コロについて抗体検査が出来るのか、いつ頃に出来るようになるのかは知りません。

ですが、それが簡単に出来るようになれば『抗体がある人=自由に活動していい人(他とは分けるが)』という扱いにして、徐々に増やすことはできないものかって思う。


現在は体温計で測ったりしてるけど、感染者の多くは発熱しないから重篤者のみを振り分ける効果しかない。PCR検査にしても精度はイマイチな上に、仮に陰性であってもそれは抗体がある訳じゃないので、感染していないことは分かるが感染に強いことを証明する訳ではない。感染のリスクがある人達であることにはかわりない。

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もう少し具体的に書きます。

プランA:健康な若者で20名ずつくらいのグループで、建築現場などで労働してもらう。労働チームとは別に同じく健康な若者で食事などのサポートをする。合計40名とかで小さなコミュニティを作って経済活動をすれば感染のリスクも低いが、感染した時のリスクも低い。

それらから、感染が確認された時に休んでもらい。検査陰性および抗体確認。で、合格。その人を『仮に抗体人と呼ぶ』もっといろんな幅広い業務につくことができる。

そういう抗体人をどんどんと増やし、経済活動の範囲を広げる。


プランB:Aよりももう少し過激な方法。新コロのウイルスを採取し、健康な若者で『感染する覚悟のある人』を募集し、少量のウイルスを感染させる。荒っぽい生ワクチンみたいなもの。ウイルスは多くを摂取すると増殖して体内の免疫より強くなってしまうが、少量の場合は体内の免疫が勝つ確率が高まる(素人の推測だが・・)と思う。それによって抗体人を作る。

例えばタクシードライバーが抗体人であれば、消毒等を気をつければ、乗客に次々と感染させてしまう確率はかなり低いと思う。そうやって若い人中心に経済をまわし、弱者をサポートして、ワクチンができるのを待ったり、集団免疫が実現を目指すイメージ。


ちなみにこのプランBには批判も出ると思う。『若者を危険にさらすのか?』的な。僕は有志でいいと思う。もともと感染した場合の危険が低いのなら、仕事がずーーーとなく部屋に閉じ込められるよりマシって考える人はそれなりに多いと僕は思う。僕なら志願する。たぶん読んでいる人は日本人が多く、しばらく失業して外出禁止されているフィリピン人の立場をイメージするのは難しいかもしれない。


これは素人の仮説にもとずいたプランなのでご了承下さい。

集落をどう救うのか難易度が増してきた。

僕の住むビレッジには中流以上が住んでいてCommunity検疫期間中も、それほど不便はない。メトロマニラ全体ででている外出禁止令:午後8時から午前6時・・というルールはあるものの出入りの制限は厳しくない。まぁそれぞれの家は独立していて住民間の感染リスクは低い。

それに対して、徒歩5分ほどの距離にある集落Mは厳しい。小さな家が密集していてそこに大家族が住んでいることが多いので住民間での感染リスクは高めだろうと思う。しかも大家さん情報では感染者8が出たらしい・・。

それもあってか、外出可能時間が午前6時から10時までの4時間に制限されるという話がでてきています(集落M) 加えてモンテンルーパ市では24時間外出禁止令が出されたのだとか・・。

4時間だとスーパーは無理でも簡易の市場ならなんとか・・・ですが24時間なら配給しか頼れません。どの程度の配給がいくのか、いつなのかはまだわかりません。

集落Mの場合はまだ配給がありません。


住民の中でオンライン英会話やプログラマーなど在宅勤務できる人は仕事があります。また商店などは営業が続けられるところもあります。が、住人の多くは封鎖に入ってから失業状態です。普段は失業しても他の家族が働いていることでそれがセーフティーネットになったりしていますが、今は家族が同時に失業しています。政府からP5000の給付があるという話はありますが、まだ受け取りは先らしいです。

で、仕事がないと、当然ながら収入がない訳で、さらに貯蓄も少ない人も多いでしょうから、食料などを買うカネにも困るようになってきています。まだ借金などを頼める人はいいですが、周囲もそれほど余裕がないでしょうし、封鎖が長期化するとキツイと思います。


僕は集落Mの中で複数の友人や知人がいて、個人的に支援をしています。今のところ7家族に支援物資やらおカネを渡していて、加えてその近所の知り合いが多いエリアにはコメ25kgを届ける予定。封鎖までちょくちょく買い出しにいっては支援するつもりです。

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ですが、今回のバランガイの様子を聞いて、僕は更に深刻な状態に陥るのではないかと危機感を強めました。かといって推定200世帯はいる集落Mで、みんなに支援するのは個人では不可能・・。そこで、とりあえず思考実験的に支援方法を考えてみることにした。


◆1:外出禁止令を変更してもらえないか?

感染を広げない為には移動は少ないほどいいというのは理解できます。家にずっといることでストレスを貯めてしまい免疫が落ちることなど言っても伝わらないでしょうから4時間限定・・・ということ自体は許容するとしても、みんなが同じ時間にというのは感染のリスクを高めてしまうと思います。

もし交渉できるのであれば、ブロックごと(たしか8くらいにわかれていた)に時間をずらすなどして集中しないようにした方がいい。またゲートでは体温測定もいいが、手洗い所を設置する方がいい(と僕は思う)


◆2:買い物難民をどう支援するか?


ジプニーやトライシクルなどの公共交通機関がストップしている今。彼らは買物にいくのも苦労しているはずです。中にはバイクを持っている人もいますが、ゲート自体が閉鎖されていて、一部の人が勝手にバイクタクシーをしている感じ。

できればバランガイ自体が住人の要望を聞きつつ、物資を調達して販売するなどすればいいのですが、それをする様子はありません。配給もまだされていません。

もし僕の住んでいるビレッジで有志で車を出してくれる人がいたら、買物代行みたいなことを出来るのに・・・なんて思っています。


◆3:募金とかなんとかならんもんかな??

僕は今のところ1ヶ月で10万円くらい支援する予定ですが、集落M全体で考えるととても足りません。その一方で住んでいるビレッジはお金持ちもそれなりに住んでいます。僕は超苦手なことですが、なんか住人から寄付を募ることができないものか・・・とか思ってしまいます。

人助けというだけではなく、集落Mが困窮状態になればビレッジとしても危険度が増します。加えてビレッジに通いできているメイドさんの多くが集落Mの人達だと思う。その人達が困窮すればメイドさんの窃盗などのリスクも高まります。

人助けでなくても支援する合理性はあると思っています。

問題は誰にどう動いてもらうか・・。



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いま漠然と思っているのは、おカネじゃなく物資です。

おカネは扱いが難しいからです。まずビレッジの代表から許可をもらい警備員にサポートしてもらう。メインゲートの横にドネイションスペースを設置し、ビレッジの住人から支援物資を集める。それを集落Mに運び、集落Mの管理人らに分配してもらう。

バランガイの管理人らを僕は知りません。なので、適切に分配してもらえるかは不安ですが、そこまで管理しようとするのは難易度が上がりますから現段階ではしない方がいいと思う。

次に買物代行ではなく、物資を集めることで、買い出しにいく手間が省けます。最初は無理にしても、少しなれてくれば要望を集め、それをビレッジの住人に伝えることで必要なものが届きやすくなるはず・・。


(空論をつづけると) Facebookでグループページを作り、そこに支援を受けた人からのメッセージが届くようにすれば、支援した側も実感が増し、連帯感も深まるはず・・。

少し考えてみる・・。

COVID19 雑感 3/21

都市封鎖中のメトロマニラ。今日は昼12時と夕5時に支援物資を渡した。

僕の住むビレッジは特に何もないが、庶民層の暮らす集落では厳格に外出禁止令がでている。外出できるのは1ヶ月1名のみ。多くが封鎖により職を失っている。しかも普段は家族がセーフティーネットとなっている家族社会だが、今回は複数の家族が同時に失業している。

蓄えがそんなにない人達な訳で、失業によりカネがなくなり、カネがなくなると食料などにも困るという状態。政府からは失業手当らしきものP5000が支給されるとの発表があったし、食料などの配給も予定されているらしいが、今のところ届いている様子はない。

僕はその集落に友達やら知人やらがそれなりにいるのでせっせとモノとカネを運ぶ。たまに募金とかはしてるが、直接の支援はボランティア団体の経費やらも必要ないし、貢献がダイレクトに伝わってくるから実感がわく。

だいたい1回あたり2家族への物資、両手に1つずつ。コメ、インスタントコーヒー、インスタントヌードル、ティッシュ、石鹸、野菜、果物、缶詰、あと洗剤やお菓子。それに生理用品と、赤ちゃんのいる家庭には粉ミルク。といった感じ。少しずつ要望をききながら変化させている。

となりの集落の入口は既に封鎖されていて、僕は中に入れない。中にいる友達と外で待ち合わせをして、彼が物資を運んでくれる。そして時間差でその家族からお礼のメッセージが来たりする。他にもそこと違うエリアの親友と、その親世帯(別)とか、大家さんのメイドさんとかも失業してる。

加えて、僕は普段ならストリート・チルドレンに寄付をしないタイプの人間なのだが、さすがにジプニーとかがほとんど止まって、彼らも経済活動ができない。そして普段は漠然ともとめられれば寄付をするタイプも彼らを気にする余裕はないと思ったので、家から北と南のホームレステントエリアにいって子供らに物資を届けてきた。

今は非常事態。できる範囲で出来ることをする。


ただ非常時なので普段よりセキュリティには気をつけている。今はまだそうでなくても今後、カネも食料もなくなった人達の中に犯罪をしてでも生き残ろうとする人達が出てくるだろう。なので物資を両手に抱えていることでターゲットにされる恐れがある。なので周囲には気をつけるし待つ場合も警備員から見える位置で待ったりしている。

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さてフィリピンの感染者は3日間ほど増加数が少なかったが、ここに来てグッと感染者が増えて307件になった。増加数は+6, +11 , +12 , +69 といった感じ。検査体制が拡充されたのかもしれないが理由は分からない。

専門家の発表では、今回の封鎖があっても『ピークの先延ばしに過ぎない』といった発表があったらしい。またワクチン接種まで12-18ヶ月以上この状態が続くとか、セーフティーネットがない以上は外出禁止などを緩めると貧困層が困る

といった見解があったようだ。

僕はそれら3点の予測が正しいという前提で考えても、封鎖をあるていど緩和して、感染拡大を許容する方がいいと思っている。

なぜなら、封鎖等でピークを先延ばしにするというのは、医療体制を拡充できる先進国においては有効だろうし、ピークの山が低くなれば医療崩壊は防ぎやすい。だが、途上国においては、先延ばしにしたところでそれができない。またピークの山が少し低いくらいでも残念だけど医療崩壊はおきてしまう。と思うのが1点。


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次にこの外出禁止1ヶ月が更に延長され1年続いた場合を考えてみる。

この1ヶ月の封鎖でさえ、失業しカネのない人達が既に悲痛な声をあげはじめている。今後は食料の配給とかはあるだろうが、それが十分に届くとは思えない。フィリピンを構成する人の多くは庶民なのだら。

ある人が『老人を犠牲にしてでも経済を優先しようって意見に嫌悪感を持つ』みたい書き込みをしていた。それはそれで1つの意見だと思うが、僕は『経済も大事だ』と言っている人達みんながそんな無慈悲な感じではないと思っている。

たとえばオリンピックが先延ばしになると大損するとか株が下がって困るから、というのが理由ならそれはそれで自分しか見えてないからそう思われてもまぁ仕方がないのかな・・とは思わなくもないが、実際に経済が悪化し恐慌にでもなれば多くの自殺者が出る。

途上国の場合はそれだけにとどまらないと僕は思う。困窮者が続出すれば強盗や略奪、あるいは暴動といったものもおこりうる。イギリスのように比較的豊かな国でもおこるのだから、庶民層が多いフィリピンならかなり深刻になるかもしれないと危惧している。

しかもそれだけではない。小さい家に複数の家族と一緒に24時間閉じ込められる生活は極度のストレスを与える。そのストレスによって免疫力は低下し病気になりやすかったり持病が悪化して死ぬような影響もあるだろうと思う。

(難しいのは感染症の専門家は経済や治安は専門外であるって部分)

なので、僕は『高齢者を守りたい』って考え自体は優しいと思うし、僕も守りたいとは思うが、所詮は『恵まれた経済状況の人だから言えること』だとも思ってしまう。


フィリピンのような途上国はもともと貧しければ十分な医療が受けられずに死んでしまうという厳しい世界。人々の多くはそれを悲しみつつも、許容して生きてきている。新コロだからといって急にその状況がかわるというものでもない。フィリピンの政治家なり力のある層が、普段からそういうのに力を入れてきた訳でもない。

また『経済も大事』って言っている人達も『自分は若いから関係ない』って人ばかりじゃないと思う。僕は『どうバランスさせるか』ということは考えるが、比較的そっちよりの考えかもしれない。が、僕にも高齢の両親はいるし、僕自身が高齢あるいは大病になればやるだけやってあとは仕方がないと考えるタイプ。それは良い悪いではなく価値観の問題だと思う。

また池田信夫さんなどはバリバリの『自粛すべきではない派』だが間違いなく高齢者だ。

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いまは非常事態だ。世界中がパニックをおこしている。特に新コロについてはまだ分かっていないことも多く、みんなの知識や置かれている状態、思想などに大きな差があり、よって見える世界は人によって全然違う。

非常時にはその考えの違いに平時より癇に障る。不安やストレスを抱えている人は残念ながら攻撃的になりやすい。ある程度は仕方がないが、できるだけ考えの違いには寛容でありたいと思うし、寛容である人が多くあってほしいと願っている。

僕も感傷的になることはある。救援物資を送ったファミリーから『粉ミルクがなくて困っていた助かった。ありがとう』なんて言われると熱くなる。早く封鎖が解除されて欲しいとは思うし、大統領の決断自体はやり過ぎだと思っているが、でもフィリピンの選択には従うし、彼と同じ考え方を持つ人に嫌悪感を持つことはない(考えは違うって言うことはあるが)

そして僕らの予想が当たろうが当たらなかろうが、日本は日本の、フィリピンはフィリピンの政府の決断に従うよりほかはない。その中でそれぞれが励ましあいながら手洗いなど出来ることをしていくしかないのではないかと僕は思う。

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とりえあず僕はまだ金銭的に余裕がある方なので、今のところ支援額が5万円を越えたくらい。たぶん封鎖解除までには10万円を超えるかな・・・くらい。複数の家族に1人で支援しているので、封鎖が長引くとキツイけど、仮にそれらのカネがなくなってもよくよく考えれば僕がそれで困窮する訳でもないし・・・と割り切っている。

偽善だと思う人もいるだろうし、僕も『人によく思われたい』とかいう気持ちもあるだろうと思う。そんな単純に善意だけを取り出して行動できるほど人間は単純ではないと思ってる。その結果として関係者がみんなハッピーなら周囲に偽善だと思われようがどーでもいい。

今後の予定としては、日曜に大家さんのメイドが来るらしいので、物資を渡す。たぶん月曜あたりにコメ25kgを届ける。来月にも最低1回は届ける。できればクレヨンとか塗り絵とかまとめ買いして自宅で暇してる子供らに届けてやりたいけど、それら物資の入手は今は困難。

・・・・とかそんなことを考えている。

そして僕自身は普段から洗濯も自分でするし自炊もしてる備蓄もカネもバイクもある。加えて大家さんの家族と隣接してるから話し相手もいる。1ヶ月くらい余裕・・・集落の人達の苦境とのギャップに軽い罪悪感ももっているくらい。

フィリピンにとって最悪のシナリオとは

前回は『フィリピンでどの程度 感染が広がるか?』 というテーマで書いた。

この記事を読む前にできれば先に読んでもらいたい。主にウイルスの耐暑性についての見解なのだが、ちなみに僕は高須克弥さんの動画をたまに見ていて高く評価している。専門家の意見をちゃんと収集していて論理的で分かりやすいから。

その彼がウイルスと暑さについても動画をあげている。

www.youtube.com



同感。ちなみに僕が書いたブログは3/12で彼の動画は3/17なので、彼の動画を見て僕が意見を変えた訳じゃないことは証明できていると思う。

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さて今回のテーマは『フィリピンにとって最悪のシナリオとは』です。

フィリピンの保健省(DOH)の人が3ヶ月で70000-75000件に増える可能性があることを言い出した。

 まぁ可能性自体はあるだろうと思う。ただこういうのは前提になる数字や増加率をどうするかで結果は変わる。できれば日本の専門家チームにも予想してもらいたいのだが、僕はもっと早く収束するとみてる。

予想はともかく、上のデータの出し方は国家の危機管理上あまり良くないと思う。

それは『最悪を予想するのは大事』だが、それだけを出すをパニックを起こしたりするからだ。できれば『楽観シナリオ、中間シナリオ、悲観シナリオ』といった感じに2つか3つ出す方がいい。そうやって悲観的な事態も覚悟しつつ備えるといったイメージ。

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人によっては上の3ヶ月で7万人が最悪のシナリオだと考える人もいると思いますが、正直なところ、7万人の感染者数だったらたいした問題じゃないです。フィリピンの医療体制が脆弱で致死率が5%だとしても、3500人くらいしか死にません。"しか" って言ってしまうことに反感を持った人もいると思いますが、国家非常事態という観点で見れば3500人はそれほど多いものだとは考えていません(もちろん減らせるにこしたことはない)

例えばデング熱でも年1000人とか死んでいます。死因第一とされる心血管疾患では毎年17万人が死んでいると言われています。それは知られていないだけで国家レベルで毎年それだけの人間が死んでいます。

僕にとって最悪のシナリオはむしろ『封鎖の長期化シナリオ』です。

あくまで最悪のシナリオですのでそのつもりで読んで下さい。

フィリピン政府は新型コロナウイルスを封じ込めるために、メトロマニラを中心として大胆な封鎖を決断しました。僕は意見は違うとはいえ政府の方針は尊重してしたがっています(あくまで予想は予想ですよ)

ですが、感染が広がらないってことは、みんなが免疫を獲得しないことも意味します。1ヶ月で完全に封じ込めができるでしょうか??僕はそれなりに可能だと見ていますが、DOHのシナリオみたいにもしなるとすれば不可能ということになります。封鎖の延長がありえます。

仮にそこそこ封じ込めができても、封鎖解除した後に再拡大しないとも限りません。それでまた再封鎖とかしてしまうって決断を政府がしても不思議ではありません。

ポイントは感染拡大自体より、それを警戒することで封鎖が続くことがありえるということです。


それによってどうなるか。

ただでさえ経済は大打撃を受けています。これは株価が下がって時価総額が減ったという数字上の富の問題ではなく、実際にお店が閉店し、多くが失業し、GDPが大幅に下るという実態経済のダメージです。その封鎖が1ヶ月続いただけでも、失業者は困窮する訳でカネがないと食料も満足に買えない訳で、不満は高まります。治安の悪化や下手をすれば暴動も起こりえます。もしその封鎖が延長されたら更に深刻になるでしょう。

封鎖は『解除すれば元通り』といった簡単なものではないからです。しばらく尾を引きます。

なので僕にとって最悪のシナリオは経済悪化により情勢が不安定になることです。経済が悪化すれば新型コロナウルス以外の疾患で治療を受けられる人が減って病死が増えるでしょうし、自殺や餓死や殺人も増えます。どのていどかはわかりませんが、フィリピンに暗い影を落とすでしょう。

そこまでは悪化しないと予想はしていますが・・・。

僕としてはウイルスのことで頭がいっぱいになっていて世界が近視眼的になっていると思っています。また注目している国の1つにイギリスがあります。学校の休校とかをせずイベント自粛とかもせず感染を覚悟し免疫を獲得する道を選んだ。これがどっちに転ぶかはわかりませんが、僕としてはその戦略はフィリピンにこそ向いていると思っています。経済が人々に与えるダメージが深刻なこと、平均年齢が若いこと、暑い国であることなどからです。

あくまで僕の私見です。

いまはいろんな考えの人がいます。楽観的な意見の人は悲観的な意見の人に反感も持ちがち、逆もしかりです。ですが、僕らの意見によってウイルスの拡大に影響を与える訳でも政府が動くわけでもありません。それぞれが危機に備えつつ。意見については出来るだけ寛容であって欲しいと思います。

以上。



マニラの封鎖が始まった。

いよいよメトロマニラの封鎖がはじまった。

とりあえず1ヶ月間の我慢なのだが、当初はメトロマニラから外に出られないだけのつもりが、封鎖レベルが1から2になったみたいで、原則として同じエリア内の移動(用事がある場合)みたいになってしまった。

個人的には備蓄もあるし同じ敷地内に大家さん家族もいるし、自炊はしてるし、普段から半分は引きこもっているようなものなので、特に不便もないし全くといっていいほど困っていない。しいていえば観光ビザの更新だけできるか気になるくらい。

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だけど、周囲のフィリピン人達はそれなりにピンチの人達もいる。

大家さん家族はもともとオンライン英会話の講師だったり子供らもIT系でネットで仕事ができたりの率が高いから特に問題なさそうだが、庶民層の知り合いはそうもいかない。

まずたまに大家さんの家でメイドをしてるGが本業の食堂が閉鎖され失業。僕のところに週1日くらいDIYアシスタントとして来てくれてるCも本業がとりあえず1ヶ月休み。彼らのように日当で働いている人は仕事がないと給料もなくなる。まさに『NO WORK NO PAY』の世界。しかも貯蓄もあまりないので『NO MONEY NO FOOD』になってしまう。

加えてフィリピンの庶民層にとっては大家族がセーフティーネットになっている。フィリピンにも社会保険(SSSというらしい)みたいな制度はあるにはあるらしいが、個人事業で雇う食堂などであるとは思えない。政府が打ち出す支援がなかなか届きにくい層でもあるように思う。

正直なところ僕は制度に詳しくないが、失業した彼らが『国から手当がもらえるから大丈夫』って言っているのを聞いたことがない。『どうしよう・・・』ってなっている。

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とりあえずGにはコメと野菜とかを分けてP1000あげた。大家さんからも臨時で雇ってあげて欲しいと言われ、臨時でメイドをしてもらうことになった。が、翌日、ビレッジの警備員に止められ『マスクがないことに拒否された』らしい・・・と後で聞いた。少し歩くには遠いかな・・とは気になっていたが、まさかそこでダメとは思わなかった。

僕の方からマスクを届けにいこうかとも思ったが、大家さんから危ないエリアに住んでいるから行かない方がいい。マスクは市場で買えるからと言われやめた。大家さんには『もしGが来て僕がいなかったら中庭の掃除を頼んでおいて』と伝えた。とりあえず1日なら何かしらしてもらうことはある。

僕がいたらジャスミンティーをTバックに小分けしてもらったり、雨合羽に防水スプレーを振ってもらったり、ヌードルメーカーで製麺でもしてもらうかとも思っている。が、そういうのって本当に1日で終わる。それ以降あまりしてもらうことが、思い浮かばない。

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もう1人のCもそうで、彼には木工を主に手伝ってもらっているのだが、家具を作る場合に僕が大事なポイントだけしてCにヤスリがけとかペンキ塗りとかを頼むケースが多い。趣味でしているので作りかけで1週間くらい考えることもあるし、方法をかえて材料を買うまで数日放置ってこともよくある。なので週1日くらいが僕にとってはちょうどいい。

彼も約1ヶ月の失業なので、それなりに雇うことで支援はしたいが、何をしてもらえばいいのか正直こまっている。いまのところ倉庫整理みたいなこととかタスクを無理やりさがして週3日くらい合計12日くらいは何とかしたい。それ以上だと段取りとか僕の方にストレスが貯まるから、カネを貸す方を選びたい。


僕は幸いにも経済的問題はない。独身でフィリピンでほどほどの生活水準なのでお金もあんまりかからない。贅沢もそんな興味ない。だからこういう危機の時は何かしら困っている身近な人達を支援できればと思う。

ただし支援といっても少しむずかしい。集落にはまだ何人も友人・知人がいる。住人みんなを助けられる訳でもないし、あまり目立ちたくもない。また変にお金を配ってプライドを傷つけてしまったり、他の人にねだられても困る。

いまのところ漠然と思っているのがGの家族(業種的に夫婦共に失業してるだろう)は料理が上手なので10人分くらいの料理を仕事として発注するとかはありあのかな・・・って思う。

あと交通手段が限られているから集落から市場への買い出しも少し大変。集落内にお店はあるにはあるが・・。なので僕がよくいくエリアには様子をみて支援物資を届けることも考えている。ただしまだ序盤も序盤なのでまだ食べ物に困ってはいないだろう。Cに集落の様子を聞きつつ、行政が配給しても足りていない部分について検討することにする。


そうそう。この非常時において情報は大事。

僕はTwitterを主な情報源として活用している。僕の方からも役立ちそうな情報はあげているつもり。人の考え方に自分の意見をコメントすることはあるけど、意見が違っても悪意はない。原則として考え方は人それぞれでいいと思っている。

新型コロナウイルス関係の過去発言をふりかえる。

【入国拒否について】

▼ 1/28:フィリピンが武漢市の入国を拒否。前日に日本で初感染者がでたことで、日本が入国拒否される可能性に言及。

▼ 2/27:フィリピンが韓国の南部からの入国拒否。その数値から僕の一時帰国3/1-11はまだ大丈夫だと予想。

一時帰国からフィリピンに戻って来られるか? - フィリピン考察記



▼ 3/13:フィリピンがメトロマニラの封鎖を決定。3/15からの入国が不透明に。上の予想は当たったが、この決定は予想外。もちろん今までの傾向とは違う大胆な決断なので仕方がないとは思うが、結果として4日違いでセーフだったかも・・。


【検査精度について】

▼2/27・28 :偽陽性や偽陰性のことが気になって調べる。計算方法を勉強する。さらに検索すると似たような医師の記事を複数見つける。そこから更に感度・特異度の推測値から偽陽性がたくさん出ているのでは??と思う。
 

韓国の感染者数激増は幻影?? - フィリピン考察記

新型コロナウイルスの検査をしすぎてはいけないのでは?? - フィリピン考察記


▼2/29 :さらに、もし偽陽性がたくさん出ていて陽性の人達を病院に入れていけば韓国の医療崩壊するのでは??と予測。

韓国の医療崩壊 - フィリピン考察記

▼3/1 :岩田医師にTwitterで質問すると『問題は偽陰性の方』だと回答をいただく。さらに調べるとバイオ関係の専門家らしい人が『特異度はそんなに低くない』といったツイートをしているのをみかける。そこで、上の3つの記事を一時撤回(保留)・・前提が崩れたから。

特異度90%の妥当性 - フィリピン考察記


その後、NewsPickでアメリカの医師が資料を出してくれているのを見て、このPCR検査は『感度は低いが特異度は高い検査』だという情報を得る。難しいのは専門家チームらがそれらの推定値を公表していないことなのだけど、それなりに理由があるのだろう。

今のところ感度50%くらい。特異度は99%~99.9%くらいのイメージを持っている。

 

【備蓄について】

▼常時:地震や台風などの非常時に備えて缶詰などを備蓄。

▼2月:フィリピン国内での感染拡大にいちおう備えて缶詰を追加。実家にマスクに確保を頼む。フィリピンでの感染者が増えずスーパーマーケットに消毒用アルコール在庫が積み上がる。日本でのアルコール不足をうけ持ち帰れないか検討するが沢山は難しいと知り、小さなスプレータイプを8個だけ買う。

▼2月下旬:事故で怪我をする。絆創膏など予想以上に必要だとしり、日本で多めに買うことを決める。

▼3/1-11:日本に一時帰国中。フィリピンから持ってきたアルコールスプレーを周囲にあげる。コタキナバルで手に入れた布マスクをあげる。日本で確保してもらってたマスクを医療関係の仕事をしている友人にあげる。

その他:水はタンク式のため生活用水の備蓄はある。加えてポット型の浄水器があるので飲料水は問題なさそう。バッテリーから電源をとるインバーター。テントがある。僕は比較的状況を楽観的な予測をしているが、それでも悪化した時には周囲で手が届く範囲は救えるようにと備蓄してる。


【株式投資について】

▼1/27:ウイルスの感染拡大がどこまでいくのかは分からないが、影響がなかっても中立。影響があった場合は下落。しかも影響が大きかった場合は大暴落する可能性もない訳ではないと思い、株主優待と一部を除いて6割ほどを売却しキャッシュにする。

その後、ウイルスは拡大し、暴落、そして更に拡大し、大暴落・・。

▼3/11頃:暴落した銘柄を物色し、打診買い。翌日に暴落・・。今後は2週間ごとにあと3回買う方針を出したが、現在のところ日本での感染者増加スピードが緩やかになっている感じがするのことと、株価が買った後で更に下がっていることを考え、もう少し早めに買い戻そうかと検討中。

フィリピンでどの程度 感染が広がるか?

フィリピンの感染者が増え始めている。当初3人くらいだったのが10人、30人。そして今現在68人となっている。→ 最新データはこちらで。https://ncovtracker.doh.gov.ph/

マニラ在住の僕としてはフィリピンでの感染拡大は懸念材料な訳で、現在のところの見解をまとめておきたいと思う。僕の予想は4月1日時点で300人未満(ただし検査次第で2000人)という幅の広めで見てる。理由は後述するが大事なのは3点あると思う。

(追記:4/1の感染者数は2311名と僕は予想を大きく外した・・残念)

◆1:新型コロナウイルスの耐暑性

◆2:検査方針(どれだけ積極的にするか)と入院方針

◆3:途上国の庶民事情と医療体制


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たぶん重要なカギになるだろう1から話をする。

◆1:新型コロナウイルスの耐暑性

 
日本の専門家チームは『季節性の風邪と同じように暖かくなっても終息しない可能性がある』と言い出した。その根拠を彼らは示していないが、いちおう頭に留めておいたほうがいい情報だと思う。

ただ僕が見る限りこのウイルスが耐暑性を獲得している可能性はまだ低いと思う。

理由1:赤道付近の暑い国での感染拡大が限定的であること。

フィリピンもインドネシアもインドもマレーシアも大した数じゃない。もちろん検査体制の問題もあるが、特に人口の多いインドで感染が広がっていたら簡単に医療崩壊を起こしているだろう。また感染者の多いイランについて日本人は中東は砂漠とラクダの暑い国をイメージするかもしれないが、イランの緯度はだいたい九州と同じで南国ではない。

ここで大事になってくるのはシンガポール。および熱帯の国で広がるケースはどういうものかって理由。その前に『ウイルスがどれだけ熱に弱いか』と考える時に2つを分けた方がいいと思う。

A:ウイルスが宿主に寄生している場合。
体温はだいたい36度に保たれている。その温度で死ぬようならそもそも体内で増殖できないことになる。それは外気が50度を越えるような暑い日でも同じ。ウイルスは体内にいる限りは外気の暑さに怯えることはない。

B:ウイルスが宿主から出て他に感染先を求める場合。
根路銘先生によるとコロナウイルスは周囲を覆っているトゲの部分がもろく界面活性剤(要は石鹸)で洗うと壊れて死滅するらしい。また暑さにも弱い。これは旧来のコロナウイルス全般に言える特徴らしい。SARSもMARSも。

なのでAとBのケースは分けて考えたほうがいいと思う。

それを踏まえて、熱帯で感染者が出るケース。

a:他国で感染し入国後に発症。
b:国内で感染者と接触し感染(2次感染)

この場合にシンガポールなど途上国では空港のみならず空港から直行の電車、あるいはTAXIなどエアコンの効いている場所が多い。仮に途中で暑いところを通ったところでウイルスは体内では平気なので、感染を広げる段階で暑くなければ感染を拡大させられると思う。

ただしその暑いエリアと暑くないエリアの比率がどの程度かは重要。感染者の8割は感染を広げないという研究もある。それだけ感染拡大を考える上で割合は大事(ウイルスの感染力とワクチンの接種率とか)



理由2:突然変異がそんなに簡単なのか?

ウイルスもDNAタイプとRNAタイプがあり、RNAタイプは構造がシンプルでキズついても修復しないがため突然変異を起こしやすいと言われている。また感染者が増えることでも突然変異は起こりやすくなることも知られている。

ただ進化する上で環境の変化がない限りは突然変異は起きにくいはずで、例えば寒い地域で生きるシロクマがそこで暑さに強くなることは考えにくい。このウイルスにおいても寒いエリアにいる限りは暑さに強くなる必要性が乏しく、突然変異するにしても熱帯に移動したウイルスの中で・・ということになる。まだ熱帯でそれほど広がってないことを考えると、突然変異する可能性はそれほど高くないと思う。

また耐暑性が付くにしても、暑さに滅法弱い状態からいきなり全然平気に変わることは考えにくく、『以前よりは暑さに強い』といった程度の変化が生まれる方が自然だと思う。


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 (1が長くなったので2,3は軽めにしたい)
 

◆2:検査方針(どれだけ積極的にするか)と入院方針

日本は検査を控えめにし風邪の症状がある人も軽症なら自宅療養してもらい医療崩壊を防ぐことで重症者をケアするという方針を取っている。またそれが今のところ成功していると思う。その一方で韓国やイタリアではバンバンと検査をし(特にイタリアでは)医療崩壊と思われる報告も出始めている。

これは『検査をたくさんすることで状況を把握し早めに対処をする』といった一般の人が思いがちの正しさを政治家が取り入れてしまった悲劇だと思うが、フィリピンもUPやDOHで検査が拡充されようとしてる動きがある。

U.P. coronavirus test kits may be rolled out on March 16


『検査体制の拡充』それ自体はした方がいい重篤になって必要なのに検査ができないってことは避けるべきだと思うから。ただし闇雲に検査を増やすとイタリアの二の舞になりかねない。

この場合にフィリピンの感染症の専門家がどれだけ優秀で発言力があるか?ってポイントが大事で、加えて検査機関というものは総じて検査をしたがる。これを期に研究予算が増え権限が増え大勢拡充にも予算がつくというのは専門家の倫理とは別で動機としては自然だろうと思う。日本の地震研究機関が『地震は予知できません』と言わないことに似ている。

一般には検査の精度(有病率、感度、特異度)などは知られていない。

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3:途上国の庶民事情と医療体制

フィリピンが仮に日本や韓国と同等の気候であったなら、感染者はもっと深刻な広がりを見せていただろうと思う(まだ過去形にするのは早いが今のところはまだ感染者が少ない)

特に庶民層は家は小さな家に重なるように親兄弟が寝ている。仮に1人感染したら隔離は難しく、家庭内感染は極めておきやすい。しかも近所との人の出入りも多い。

感染が広がりやすい上に、医療事情は厳しく、庶民はカネがないと人工呼吸器などは望めない。平均年齢は若い国ではあるが糖尿病などの患者は多いはず。もし感染者が増えたら簡単に医療崩壊するだろう。


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それら1、2、3を見た場合に、2,3は懸念材料(マイナス要素)ではあるが、僕は1のプラス要素の方が強いと思うので、結果として感染拡大自体は国家を揺るがすようなものにはならいと思っている。それにもともと『大病を患えば死んでしまうもの』ということを自然だと受け止めることができればこのウイルスはそんなに悲観するものでもない。高齢者や持病のある弱い人が中心に死ぬので、僕は若い人もバンバン死んでいくようなタイプのウイルスの方がずっと怖い。

ただし健康被害よりも、このウイルスは経済被害の方が大きいと見ている。

スーパーマーケット以外の閉鎖を決めたイタリアなんかはモロにその典型例になってきているが、フィリピンに関してもお店の自粛などがおこれば日給で働いている庶民層が生活に行き詰まりやすくなる。もともと買い溜めをできるだけの貯蓄のない層は災害に極めて弱い。

手の届く範囲で助けられる人は助けましょう。


尚、予想は予想。僕は予測は楽観的ですがそれでも手洗いはするし食料備蓄は普段からしてる。予想によって感染者が拡大するのではなく行動によってそれが決まる。みなさんもいろんな予想があると思うが、備えるところは備えましょう。