KOYA(マニラで子供らと遊ぶ)

庶民エリアにコミュニティスペースを作ってみた。

ブラッシュアップライフ 河口

ドラマ:ブラッシュアップライフのネタバレを含む考察です。


第10話において主人公アサミはもう1人の友達マリとパイロットになり航空機事故の回避を試みるも当日の機長中村からシフトを変わってもらえず遂には薬物を仕込むという強硬手段を計画する。

だが計画を実行する予定のカフェエリアに河口が登場する。この河口は何度もタイムリープを繰り返し毎回市役所で働いている。第1話において『Go to hell』というTシャツを着ているということが示され、それについて最後まで見終わった人達から様々な考察がされている。


例えばこれ。

【ブラッシュアップライフ】河口美奈子は何者?地獄に行くために悪行を繰り返している? | ちゃまるトレンド

 

でも、河口は地獄に行くために悪行をしている訳ではない。それは10話でカフェエリアでアサミに話す内容の中にある。そこでは『河口が市役所時代に中村(パイロット)に税金泥棒!と超詰められた。地獄へ堕ちろ』といった主旨のことを言っている。

つまり『Go to hell』というのは市役所クレーマーでもある中村に対してのもの。

ちなみに元ネタは市役所の『小田原ジャンパー事件』だと僕は思う。それは生活保護係がSHAT TEAM HOGOといったアルファベットで一見して分からないように『生活保護なめんな』と態度の悪い申請者らに反撃するような実際にあった事件。

小田原ジャンパー事件 - Wikipedia



そして、河口は第1話の段階で既にタイムリープ後であり、可能性Aとしてはクレーマーが来ることを知っていて着てきた。可能性Bとしては更にクレーマーが後に交通事故で死ぬことまで知っていて着てきた。かのどちらかだと思う。いずれにしても言葉の対象は中村だと思う。

またそのGO to hellの下にあった。『私は何度も人生をやり直している』というニュアンスの英語は『だから分かるんだ』という視聴者へのヒントであると同時に、他のタイムリーパーへのメッセージなのかもしれない。

そして第10話のTシャツがこれ。Go Hometown は主にアサミに向けたメッセージだろうと思う。結局は地元が一番・・友達もいるし的な感じ。僕の推測では河口は個性的であるが故に友達はそれほど多くない。そんな中で何度も市役所の職員をしていたのに『他の職を試すのもいい』みたいなことを言われただけでフライトアテンダントを試すだろうか。ここは僕は当然だと思うのだが『アサミ(およびマリ)がパイロットになってその後逮捕される』みたいな事を経験し、次のリープで防ごうと意図的に同じ職場になれるようにフライトアテンダントを選んだのだと思う(さすがにパイロットはハードルが高い)、、、ドラマは1回しか見ていないから確認はしていないし計算もしていないが、時間軸はよくわからないが、1回目で同じだったAさんBさんがいるとして長生きしたAさんの2回目が短命だったBさんの3回目と重なるケースもあるのかもしれない。

 

まぁ少なくともアサミに促され『違う人生を歩んでみる』といっただけで何度も市役所の職員をやっている人がわざわざアサミと同じ職場になるのは相応の動機がないと不自然すぎるので、そこは間違いないと思う。

 

またこのドラマはよく錬られている。ドラマでもミステリー系のドラマはリアリティー無視のご都合主義な話が少なくないが、これはシッカリと伏線がはられ回収され違和感なく見れた。もちろんタイムリープ自体は非現実的なものなのだがそこは話として必要な設定。あと細かくいえば各時代の流行や女子的な気の使い方やノリなどもセリフもよく考えられていて市役所・薬剤師・パイロットの事情も調べてあって地味に情報収集は大変だったのではないかと思う。

 

あと伏線の張り方や裏設定とか、練り上げられている感じは進撃の巨人に似たものを感じる。また脚本家としてこれ話を作ったバカリズムさんはお笑いにおいてもそういうのを普段から練っていることもあって、得意なんだろうと思う。


最後にこのタイムリープものはシーンの撮り方も独特だったのではないかと推測する。第1話と3話と6話の子供のシーン、学生の頃のシーンを状況が違うが服とかはそのままで同日に撮影したのではないかと思う。その撮影スケジュールの組み立ては大変だったろうと思う。また毎話で全て新しいものでないので撮影自体は効率化できている側面もありそう。わかりやすい例でいえば成人式の乱入不良のように同じシーンがそのまま使える。バカリズムさんの作品は『侵入者たちの晩餐』も見てそっちも良かった。今後の活躍に期待したい。

 

ちなみに今回上のを書いたのは僕が考察したものと同じ考察が見当たらなかったから書きたくなった。単なる自己満足です。