KOYA(マニラで子供らと遊ぶ)

庶民エリアにコミュニティスペースを作ってみた。

ギャンブル投資について

職業を聞かれた時は『半分無職。半分は個人投資家』と答えることが多いHASEです。

投資のことを書くことは少ないのですが今日はギャンブル投資についてです。

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■久々にするギャンブル投資について

普段は割に地味ーな中長期投資をしていますが、稀にギャンブル的な投資もします。たぶん2年に1回くらい。最近久しぶりにそういう銘柄を買いました。

ギャンブル的な投資とは『ファンダメンタルズを気にしない投資』です。これから下がる可能性とか上る可能性とかを考え、人間の心理とかを考え期待値が高いなら『やってみるか!』って感じ。


具体的にはアンジェスって会社を買いました。ここはバイオの会社で僕が普段は絶対投資をしないタイプの会社です。バイオ株はほとんどギャンブル性の高い会社ですから興味もありません。ですが今回は特別です。

なぜ買ったのか、それは新型コロナウイルスのDNAワクチン開発をしているからです。DNAワクチンの優位性とかデメリットとかそういうのはマニアックなので飛ばして、世界中で数十社がトライしているワクチン開発。いち早く開発して莫大な利益を得る・・・とは考えていません。


アンジェスにも優位性はありますが、それはアメリカや中国の会社だってそう。単純に技術力だけの戦いでもありませんし、早く開発して十分な利益が得られるグループに入れるかすらわかりません。


▼買った理由1:『世間の注目度が高いこと』

個人投資家の8割くらいはギャンブル的な投資を好みます。期待などで株価が上がることは十分に考えられる。加熱しやすい要素がある。


▼買った理由2:『1年くらいは注目が持続すること』

世界中でワクチン開発競争が進み、あっという間に勝負が着いてしまえば、他の会社は大損する可能性が高い。良くも悪くもワクチン開発には時間がかかり、しかも進んでいるフェーズもだいたい分かる。その間は暴落するリスクが低いと思います。

なので、漠然と考えているのは、4/22:約100万円で買った株を半年くらい寝かせておいて、2倍とかあわよくば3倍とかで売ることを目論んでいます。最長で1年くらいかな・・。

もちろん、ギャンブルなので損した時は諦められる額しか出していません。もっとも全損することはないと思っています。それも含めてです。

 

 

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誰が感染を広げるか?の考察。

ウイルス学者 宮沢さんの動画を再視聴している。

彼はウイルスがどうやって感染するのかについては感染症の専門医よりも専門性が高い。どうすれば感染するのか。どうすれば防げるのかについての説明がある。

今回は彼の知見を活かし風邪の人の行動などを考察することで
『どういう人が感染を広げるのか?』と特定したい。

 


www.youtube.com

 

※どうやら宮沢さん動画を削除してしまったみたい・・残念・・。

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【前半:どうすれば感染するのか?防げるのか?】

宮沢さんによればウイルスに感染した人の唾液には100万〜1000万個/mlのウイルスが含まれているらしい。またウイルス全てが感染性がある訳ではなく『約1/100が感染性のウイルス』らしい。そして約1万個以上の感染性ウイルスで感染が成立する・・と推測している。

ということは【1万個くらいのウイルス量がないと感染しない】

それはつまり空気中にウイルスが飛散していたとしても少しくらい吸っても感染する訳ではないということ。

下記サイトによると、クシャミ・咳・会話によって排出されるウイルス量はそれぞれ【クシャミ:約4万個、咳(1回):約3000個、会話(5分):約3000個】 

飛沫の飛ぶ距離は? 対面調理時の衛生面への影響は?|Web医事新報|日本医事新報社



▼A:飛沫感染・・・1万個の飛沫を浴びるのはそう簡単ではない。

(1万個のウイルスは唾でいえば1滴か1/2滴だろうと宮沢さんは推測している。それくらいの飛沫を浴びないと感染が成立しないのだとか)

クシャミでウイルスが4万個でようが、多くは床や壁などに付着するし、仮に人間が飛沫を浴びたとしても、口や目などに浴びる量はクシャミ全体の1/10以下だろうと思う。例えば隣の人が咳を10回すると約3万個だが、1万個を取り込むにはその飛沫の1/3を吸い込む必要がある。また会話にしても50分で3万個。同じく1/3を吸い込む必要がある。

僕の推定では飛沫感染のリスクはそれほど高くない。考えられるケースは1:感染者のクシャミを直接顔に浴びる。2:感染者と長時間会話をする。それに咳が加われば確率が上がるイメージ。隣で咳をしていても会話をしていなければ口を閉じているので目に付着したり吸い込む量はそれほど多くないと思う。3密空間でないとなかなか感染しないのが飛沫感染だろうと思う。

宮沢さんもパチンコ屋を想像して、黙って隣で座っているだけでは感染しにくいだろうと言っている。またあるていど混んでいたとしても電車で簡単に感染するようなら自粛が始まる前にとっくに感染爆発をしていただろうと考えると、電車のリスクもそれほど高くないと思われる。

危険だと思われるのは1:直接キスなどをする性風俗。2:密閉&密集しているところで叫んだり歌ったりするライブ。3:密閉空間で会話の距離が短く、それでいて接触も考えられるナイトクラブあたりだろう。


▼B:接触感染・・・どうやって1万個のウイルスを吸収するか。

専門家の間でも『飛沫感染より接触感染の方が多い』という報告はあがってきている。宮沢さんも接触感染、とりわけ手洗い前に汚染されたモノを触って、その手で顔を触ることによって感染することを指摘している。裏を返せば『感染を防御するには、何かさわるごとに手を洗う※』・・これが重要とのこと。

おそらく世間の対策は『漠然としたマスクと手洗い』であって、マスクをしていても、マスクに手を触れることで汚染されるとか、マスクの内側が汚染されるとか考えて行動していない。加えて手を洗うのもトイレに行った時や帰宅した後というタイミングの人が多いと思う。

何がウイルスに汚染されているのわからないのだから、モノを触った手は汚染されたという意識を保つ必要がある。※触るごとに手を洗うと書いたがそれは正確ではないし、実施も難しい。大事なのは汚染されたままの手で顔(目・鼻・口)に触れないこと。目をこすりたいなら手を洗ってから、鼻をほじりたい時も手を洗ってから、そういったことを徹底するのが大事。

例えば汚染されているモノに100万個のウイルスが付着していたとしても、それを触った時に手に全てが付着する訳ではない。例えば1/10とか、またその汚染された手で目をこすっても、目に触れる指に付着しているウイルスは手全体に付着したウイルスよりずっと少ない。

手洗いは石鹸が理想だが、汚染された手のウイルスを1/100以下に減らすことができれば感染は防げるようだ。その為には水洗いやウエットティッシュでも効果があるとみられる。アルコール消毒を手に刷り込めば少々のウイルスは瞬殺らしい。

空気中であろうが手であろうが少々のウイルスはあっても問題ないって考えは僕的には目に鱗だった。宮沢さんありがとう。

 

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▼感染をさせてしまう人・・・ズバリ推測します。

専門家チームの積極的疫学調査の結果として10名の感染者がいてもその内8名はほとんど誰にも感染させないことが判明しているそうだ。残りの2名が6名とか8名とかあるいはもっと多くに感染させていると考えられるみたい。

新型コロナのスーパースプレッダーにならないために(忽那賢志) - 個人 - Yahoo!ニュース


またWHOの研究では『無症状の人達が感染させた例はほとんど見られない』といったことも言っている。


ではどういう人がスプレッダーになってしまうのか。ずばり『咳やクシャミを手で受け止めている人』の可能性が高いと僕は思っている。例えばマスクを忘れた人とかは手で咳を受け止めたり、クシャミを受け止めたりする。それ自体は飛沫を飛ばさないという意味では有効だと考えられるが、飛沫は空気中を拡散し濃度が薄められるのに対して、手で受けると高濃度のまま手を汚染してしまう。

例えばクシャミなら4万個のウイルスを手を受け止める。症状が出ている場合はクシャミを2回、3回と繰り返すだろう。その度に手には8万個、12万個と蓄積されることとなる。その手で服をさわりウイルスの何割かは服に移り、またクシャミをして手のウイルス量がまた増える。

また上記のサイトではクシャミで4万個と推定されているが、新型コロナウイルスでは喉より鼻に多くのウイルスがあることが知られている。鼻風邪の症状を伴っている人なら鼻水が付くことで更に多くのウイルスが手に付着すると思われる。

そうやってクシャミや咳を何度か繰り返すことで手に100万個とかあるいはそれ以上のウイルスが付着した手でスーパーマーケットなどの商品を触ることで、その何割かが商品に移る。僕のイメージではクシャミを両手で受け止める時は主に汚染されるのは手のひら側。また商品を掴む、あるいはドアノブを触る時も手のひら側。なので4割くらいは移っても不思議じゃないのかも・・。そうすると40万個前後(商品)。次に他の人が同じモノに触れ(更にその4割)16万個が手の平に移る。その人が目をこすったりすれば手にあるウイルスの内、指にある部分が目に感染する。1万個をクリアする可能性はそれなりにあるように思う。

逆に1回のクシャミ(約4万個)がドアノブに直接かかったとしても、よほど近距離じゃない限りは1/4も付着しないと思う。そこで1万個がドアノブに着いていても、手にで触る時と、手から顔を触る段階で、✕4割、✕10%みたいに減少すれば目や鼻にいくウイルス量は約300個になり感染成立にはほど遠いように思う。


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(少し脱線するが最後には結論を書く) 


▼ウイルス感染力保持期間を読んで・・・日本リスク学会の試算への疑問。

ここにプラスチックやステンレスにウイルスが付着した場合にどのくらいの期間、感染力を保持し続けられるか?というレポートがある。これを考察してみたい。

新型コロナウイルスの科学(4) – NPO法人 国際環境経済研究所|International Environment and Economy Institute


さらにレポートの元になったレポートはこちら


今回も宮沢さんの知見を元に考察したい。なお彼の知見をベースにしているが、あくまで僕の推測なので文責は僕にある。また素人の分析なので鵜呑みにせず、論理的に正しいのかを考えてもらい。参考程度にみてもらえればと思う。

レポートの中から2例をだすと・・・

#1 :鋼鉄:10の5乗(10万個) , 20度で48時間の感染力保持
#2:ビニール:10の3乗(1000個) , 21度で5日間(〃)

宮沢さんはこの手のレポートに疑問をつぶやいていた。あくまでウイルスが残存しても量はドンドンと減っていくからそんなに長くないといった意味合いのことを言っていたように思う。

ちなみにウイルスが暑さによって減ることはほぼ確定。
(単にそれ以外の要素が多いという話だと思う)



僕が持った疑問は3つ。

◆疑問1:まず感染力の保持とはウイルス量がどのくらいの事を言っているのだろう?例えば#2の例でいえばそもそも1000個のウイルスでは感染が成立しない(宮沢さんの見解では1万個が必要) しかも5日間保持されるってことはウイルスの量は更に減っていくことになる。

◆疑問2:感染力の保持には、モノに付着しているウイルス量から、手を経由して目や口に運ばれるまでの減少率を考慮してないのではないか??

◆疑問3:そんなに少ないウイルス量で感染が成立するなら、もっと感染が広がっているのではないか??

 
※上にも書いたように感染者の8割は誰にも移していない(その研究自体が間違っている可能性はあるが) とされる。また自粛がされていなかった東京や大阪で爆発的な感染が起こっていない (もっとも国別の違いは世界が答えを探し中の問題の1つではある)


あとレポートで気になった点は、『主にウイルスを受け取る側』の視点に立っている点(日本リスク学会の方は両方考察してる) 読者としては予防法を知りたいからそうなるのかもしれないが、社会的に感染者を減らすには『人に感染させない方法』の方がむしろ重要度は高いと僕は思う。

また今度は学会側についてですが、少し『筋が悪いなぁ』と思ったのはエタノール等での殺菌を細かく分析している点。ヨーグルトの培養が目的ではないのだから滅菌みたいな分析はあまりし細かくしても意味がないと思う。

 

 

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【結論:感染を拡大させないために個人が気をつけるべきこと】

1:移さない為に:風邪の症状がある人は唾や鼻水にウイルスがあると意識して、クシャミ・咳、会話に気をつける・・・・手には大量に付着していると思い頻繁に手を洗うべし!特にモノを触る前!またマスクも汚染されていると認識すべし。


2:移されない為に:モノは原則として汚染されていると想定して、モノを触った時は 顔(目・鼻・口)を触れる前に手を洗う。

3:いちおう3密を気をつける。

以上。

※いつも言うがあくまで素人の試算なのでご了承ください(もっともプロでも査読を追えてないレポートはいま乱立してるから注意)


今こそ孫正義さんに謝ろう。

今回は『PCR検査を大量にするべきだったのか?』についての考察です。


結論から言うと『出来るならすべきだったが、出来ない事情があった』が『孫正義さんの『PCR検査 100万件の無償提供』の提案』は受け入れるべきだが2つの事情で批判してしまった・・・。


です。その前に興味深い。記事を教えてもらったので下のリンクを。

www.fnn.jp


上のサイトは、韓国のPCR検査は 徴兵制で生まれた公衆保険医という医師を大量に活用し保健所と二人三脚で行い効果を出した。としています。これから書く内容は上の情報が前提となっていますので先にご覧ください。

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日本では『検査を増やすべきか?』あるいは『検査を限定すべきか?』が議論になりました。日本の専門家チームは後者を選択した。僕はその判断は今でも正しかったと思っています。それは日本に検査を出来る体制がなかったからです。

 

ただその理由が専門家チームから十分に説明されないまま『検査=感染者が病院にいって感染する』→ 『検査は悪』という意識が日本で醸成されました。その認識を更に後押しする存在が医師らの『検査の精度問題』の懸念でした。検査の感度や特異度を推測した上で大量の偽陽性・偽陰性を出してしまうというものでした。ですがその医師らの多くは特異度を90%と推定していました。有病率が低い集団に検査すると計算上は大量の偽陽性がでます。ですがそれは間違いでした。特異度は99%と推定されています。


少し脱線しますが僕も2/27-29 あたりに特異度90%を前提として試算し3つの記事を書き、3/1にその数値に疑問を持ち、軌道修正しています。

韓国の感染者数激増は幻影?? - フィリピン考察記

新型コロナウイルスの検査をしすぎてはいけないのでは?? - フィリピン考察記

韓国の医療崩壊 - フィリピン考察記

特異度90%の妥当性 - フィリピン考察記 (← 3/1:前提を見直す) 

 

気の毒だったのが孫正義さんでした。

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彼は『PCR検査100万人に無償提供』という提案をしてくれていたにも関わらず、僕を含め多くの人が彼の提案に反対しました。有識者と言われる人達や医師らも反対しました。『それだと大変なことになる』『偽陽性が大勢出る』あるいは『患者が病院に押し寄せて感染する』といった具合です。

 

彼は『自宅で検査する方法です』といった説明もしてくれているのですが、簡単には理解されません。
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さらに海外のメディアで韓国が持ち上げられている様子をみて、僕も含め多くが『日本の方が感染者数(死者も含め)抑えられているのになぁ』なんて考えていたと思います。

いまさらですが、僕は検査を大量に出来ない事情を知っているであろう専門家チームが『その方法ならぜひお願いします』と言ってくれなかったことが残念でなりません。おそらくその分野について詳しい専門家は高齢でネットに疎かったのかもしれませんし、あるいは専門家チーム内でキチンと情報収集する人がいなかったのかもしれません。のちのチームも情報発信するようになりましたが・・基本的にはクラスター対策チームです。

 

結果的に彼の判断は正しく、僕らは間違っていました。


4/18現在の日本の状態は『陽性になれば軽症者でも入院させる』という指定感染症の法律が今だに改正されるまま、保健所は検査をしぼり、検査数が減ることで陽性率が高くでてしまっている状態だと僕は思っています。速やかに法改正し、隔離施設の準備もしくは軽症者は自宅療養してもらうと同時に、ドライブスルー検査をする必要はありませんが、症状が一定以上の人には速やかに検査を実施できる体制を整えるべきだと考えています。

 

できれば孫社長に謝罪し、さいどお願いしたい気持ちです。

 

新型コロナウイルスへの対応は多くが不確かな情報のあふれる中で手探りでしています。それは有識者も専門家も同じ。大事なのは『分からいものは分からないと認めること』そして『理由がわからなくても起こっている事実を認めること』そして自分の考えが想定と違った場合は『間違いを認め、軌道修正すること』だと思います。

以上


(4/18 :指摘によって再考察した上での加筆)

僕は孫さんの判断が正しかったと書きましたが『概ね正しかった』に判断を修正します。なぜなら検査時の問題はクリアしていますが『陽性だった場合に入院させる』って法律やその『入院施設が整っていない』という国の問題がクリアになっていない状態だったからです。

加えて、いま院内感染が全国で散発しています。陽性だと分からないことで起こってしまっている問題です。医療従事者は新コロ陽性の人にはそれなりに対応するので感染リスクは低いですが、そうでない場合はそこまで警戒しない(防御も大変)

実はこれについてはある人と議論していて意見が分かれています。あくまで1つの考え方として参考になれば。


なぜコンタミを疑っているのか?

セブのバランガイで53名の感染者が見つかった。
というニュースが流れてきた。

City Health: Sitio Zapatera contaminated - SUNSTAR

 

僕は検査ミス(コンタミ)を疑っている。


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【状況】200名をPCR検査して53名が陽性と出た。その2名は症状があり片方は入院(症状の詳細は不明)、もう片方は発熱があるようだ。残り51名は無症状らしい。

責任者はそのエリア一帯が汚染されていると判断して封鎖。感染者とされる人達は別の施設に隔離。とあった。

 

 

▼ 疑う理由1:無症状の比率が多すぎる。

新型コロナウイルスは無症状でも感染していることがある(不顕性感染) ただ53名中51名(96%)は多すぎる。なぜなら軽症者の方が多いとする報告を見てきたから。

例えばこの記事によると、無症状感染者は全体の15.5%から20.2%』だと推定していて、おまけに『95%信頼できる範囲』と言っている。

研究が明らかにした「新型コロナ感染者の17.9%は無症状」 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 

・・・だとすれば96%が無症状なのは不自然すぎる。


(Twitterで僕がコメントしたら『若いから大丈夫だったんじゃないの?』という意見をもらった。若くて症状が軽い・もしくは出ないことはよくあるが、大丈夫な人はそもそも感染しないし、感染した場合に症状が出ない人ばかりというのはやはり不自然)

 

▼ 疑う理由2:陽性率が高すぎる。

新型コロナウイルスのPCR検査は感度が低く特異度が高い検査だと知られている。感度は40〜70%と推定されていて、普通に検査した場合に100人が感染していても40〜70人しか陽性として出ず、残りの30〜60人は感染しているにも関わらず陰性と出る(偽陰性)・・・ウイルスの検出が難しい検査という意味。

では200人を検査して53人が陽性と出たってことは理屈の上では残りの147人の内に同じくらいの数の感染者がまだいるという計算になる。つまり検査したうち1/2は感染しているってこと。高過ぎると思う。

※ただし感度は推定値であり条件により異なる(例えばハッキリ症状がでている感染者が100%の母集団を検査しても偽陰性はほとんど出ないだろう)


▼ 疑う理由3:感染者が多すぎ。

理由2では200人中53人なら検査の特性上は100人は感染者がいると言ったが、仮に53人が正しいとしても検査した1/4が感染していたことになる(2の理由を入れると1/2)

新型コロナウイルスは主にマニラで感染が広がって、セブの感染者数はまだ多くない。症状があって感染が疑われる人は検査体制が整う以前からあるていどウォッチはされてきていると思う。

それでその特定のバランガイだけ人口の1/4が感染しているのは不自然 (これがまだNYだったら理解できる) もし感染が本当ならクラスターということになるが、既にマニラでは3月中旬からロックダウンが始まり、セブであってもそれなりにみんな気をつけていたろうと思う。

クラスターが発生するっていうのは集団で濃厚接触と呼ばれるようなイベントをするとかでもないと起こりにくい。まぁフィリピン人なのでそういうことがあったのかもしれないが、であればその200人以外にも大勢感染していて、そこら中で症状がある人がいないと説明がつかない。推定1000人程度(実際は何人か知らない)だとして、1/4〜1/2が感染していたとすれば、既に重症者が何人かいても不思議ではない。というかいないと不自然だ。それでいて重症者がいたら入院などしているだろう(そのエリアのデータを僕は持っていないが)

(ただしその200人がランダム抽出ではなく濃厚接触者として選ばれたのなら別だが)


▼ 疑う理由4:PCR検査はみんな未熟なはず

(これはオマケの理由) PCR検査は訓練が必要な検査とされる。喉もしくは鼻にスワブと呼ばれる綿棒を突っ込んで検体を取り出し、それを培養してRNAを発見するのだが、他国でも検体がうまく採取できなかったといった報告がある。また微量なウイルスを増幅させて検出するのでとても繊細な検査でもある。

論理が分かっていたら気づくミスも経験が浅いと気づかないこともあるだろう。

・・・・僕のような完全未経験の人が言うのも何だけど(笑)


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 『もしコンタミが疑われるなら』

・・・・コンタミの場合はどうなるか。どうすべきか・・の考察。



▼ 1:陽性の人のバラツキを聞いてみたい。

200名の検査をして順番的にランダムで陽性が出ていた場合はコンタミの可能性は低い(ただし特定のものが汚染していた場合は分からない) が、検査の前半は陰性ばかりで、後半になって陽性の人が続出した場合はコンタミの可能性が高い。経験が浅いとそういう不自然さに気が付かないことはありえる。

▼ 2:バランガイ内の症状を調査したい。

同じバランガイで1/4〜1/2が感染するほど汚染していた場合は、前述したように他にも症状が出ている人が続出しないと不自然。なのでエリアを封鎖した上で完全防備の検査官が聞き込み調査をして確認する必要があると思う。

▼ 3:隔離した51人を再検査。

コンタミに気が付かなくても、彼ら51人は無症状な訳だから陰性が確認できた段階で隔離施設から出す必要がある。もっともバランガイ全体が汚染されている前提なら戻るべきではないのだが・・。

いずれにしても再検査をして陰性を見極める必要がでてくる。彼らの中に症状が出る人がちょくちょくと出てきたら本当に陽性だったのかもしれないが、そうではなく無症状のままだったらコンタミである確率はあがる。またできれば再検査は翌日にした方がいい。翌日に別キットであらためて再検査をしてみんな陰性ならほぼコンタミ確定で、元のバランガイからランダムで再び検査してみて、本当にエリア全体が汚染されているのかを見たほうがいいと思う。


以上は素人による分析なので間違っているかもしれませんが、それなりに論理的だと思う。別にコンタミを疑ってみて再検査とかしても手間は1日だけ。もしコンタミが本当ならバランガイ内の大勢の住民に不自由をかけることになる。


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(追記: 4/17)

このエリアの住人は約9000名らしい。検査した200名はランダム抽出もしくは濃厚接触者だろうと思う。陽性の中に無症状が51名含まれれていることから、症状があって感染の疑いがある人を選んでないのは明白。

いまのフィリピンの状況で濃厚接触者が200名もいるとは考えにくい。マニラとセブでは少し違うかもしれないが、行動制限はそれなりにされているはずだから。

仮に住人の1/4が感染していたとすれば、約2200が感染者ということになる。確率的に重症者が20人以上でていないとオカシイ。早く疑惑が晴れるといいな・・。僕の見込み違いにしても、それがハッキリしてくれると嬉しい。

(追記: 4/21)

53名の陽性が出た翌日にも陽性は82名(検査数200)で合計135名。陽性率高すぎ。コンタミが事実なら同じ検査官が汚染された同じキットを使ってる可能性がある。

あと陽性とでた人から『検査官が手袋を交換せず検査をしていた』という証言が記事になっていた。これは僕のコンタミ説を裏付ける1つの状況証拠かもしれない。

Distrust spreads in community that has 70 percent of Cebu City’s COVID-19 cases | Inquirer News





検査を絞ってる!??

僕は専門家チームの試算の前提R=2.5に疑問を持っているが、かといって池田信夫さんらが断言している『自粛は必要がない』っていうのにも賛成はしていない。わからないから。いろんな不確定な情報を中でいかに選び繋げていくか・・そんな気分。

【もくじ】

▼東京の感染者数はピークアウトしたのかも??

 だが検査を絞っているって情報が・・・

▼保健所が検査を絞っていう疑問と根拠。

▼海外流入に注目してた(週報をまってた)
▼新規の重篤者数(という指標)

【おまけ(情報)】

▼PCR検査や抗体検査の解説動画
▼(日本では知られていない)抗体療法(リンク)

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▼東京の感染者数はピークアウトしたのかも??

 

東京の新規感染者数は4/11の+197でピークアウトしたかの印象がある。これは4/7の非常事態宣言の効果前ではあるが3/25に出された小池都知事の自粛要請の効果が出てきたものだと思う。このまま落ち着いてくれれば自粛を緩めることができる・・・と思っていたが僕は少し考え方を変えた。あとで理由を言っていく。

f:id:hase29:20200416143755p:plain

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/



だが僕は検査数の少なさ陽性率の高さがずっと引っかかっていた。『検査を絞っているのではないか??』という疑った。

 

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▼保健所が検査を絞っていう疑問と根拠。

『保健所』で検索したらこんな記事を見つけた。

保健所長「病院あふれるのが嫌」 さいたま市の検査数少ない理由 | 共同通信


保健所が病院があふれるのを避けるために検査を絞ってきたという記事。以前から『指定感染症で陽性なら入院』って法律があるために、病床が軽症者に使われてしまっているという問題は多くから指摘されてきた。

各県の病床もかなりいっぱいになってきているので、検査を絞るって傾向はさいたまの保健所だけではないのだろうと推測している。

COVID-19 Japan - 新型コロナウイルス対策ダッシュボード #StopCOVID19JP


これを見ると赤や黒の表示がかなり増えていることが分かる。こういうエリアでは検査を絞りたいという動機が考えられる。これは保健所が悪いのではない。軽症者各利用の病院もしくは施設を準備しない政府。そして法律を改正しない政府が悪いと思う。

保健所の所長はむしろ医療を守りたいと思った被害者のように見える。

これによって僕は新規感染者数があまり増えていないことに対して『自粛を緩和すべき』ってほどの確証は持てなくなっている。前提が違えば結果もかわるからだ。もちろん自粛自体の効果はそれなりに現れてきていると思う。

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▼海外流入に注目してた(週報をまってた)


次にそれとは別に僕が注目していることがある。それは海外から帰国した人の影響。なぜなら東京でいくら自粛をしても、海外で感染して帰国した人の数が多ければ正しく分析できないと考えているから。

漠然としたイメージでは感染源不明の感染者が100だとしたら、院内感染は50、帰国した感染者30くらいの影響度だと思っている。入院患者が街に出歩くこともないだろうし、医療従事者は一般より感染を拡大しないために注意してるだろうし、帰国した人は自分が感染していないか怯えて慎重になっているだろうし、そもそも国内での感染ではないからだ。

ただ東京都のサイトでは感染者の内訳は公表していない。


それで以前に見つめた東京都感染症情報センターの週報を待っていた。

http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/weekly/


この団体およびサイトの特徴は感染症全般についての情報を集めている点。新型コロナウイルスに特化したニワカのサイトではない。その分だけ新コロに関係ない情報がほとんどなのだが、週あたりの感染者数に加え、柱脚としてどういった人が感染したのか参考になる情報がある。

前回の第14週では641件の内で国内要因が497件。他は不明か海外ということになる。国内率が約77%。更に第13週では国内率が約68%になる。これは最大という意味なので注意が必要だが分析する上では無視してはいけないと思う。

さて今回の第15週は1160件(着実に感染者は増えている)。国内要因は896件(最大77%)・・前回と傾向はあまり変わっていない。が、1つ気になる記述を見つけた。

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・・・『患者および死亡後診断 1085件』

前回の週報にはこのような記述はなかった。これは死んだ後に検査したら新型コロナウイルスの感染者だったということだと思う。もちろん可能性としては容態が急激に悪化し検査結果が出る前に死んでしまったという(速攻で死んでしまった)ということも考えられるが、検査を絞った(=検査をしなかった)ことによる影響という可能性の方が高いのでは??って気がする。


▼新規の重篤者数(という指標)

よく感染者数ではなく死亡者数(人口比)で国際比較する方がいいと言われている。感染者数は検査体制などの影響を受けるし、死者の方が比較しやすいからだ。ただし感染者がどれくらい広がっているかを見る場合は、各国の医療制度(人工呼吸器が使えるか)とか医療崩壊してるかの違いもあるので、比較できるものなら国際基準を決めて、重篤者数で比較できるのがベストだと思ってた。ただし現実的にはそれを公表している国は多くないし基準がバラバラなので難しい。


それとは別に僕は感染症の専門家を中心にいろんな人をフォローしているのだが、池田信夫さんもフォローしている。彼のツイートに対してこんなツイートを見つけた。

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これは池田さんが『新規重症者数が重要だ』と発言したことに対しての反論ツイート。僕は専門家の意見は重視するが、それは僕の分からない部分についての知見に関してであって、僕は論理的な正しさをもっと重視する。

『新規の重症者』といってもsuzukiさんの解釈ではそれは死亡者や重症を脱した人を除いだ純増を指しているということ。これはこの数値を出す人がどちらを基準にするかによって違うのだが、この場合はsuzukiさんの指摘の方が正しいと思う。

なぜなら、ところどころマイナスがあるから。

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また彼のメモしている重症者のデータでは池田さんのいうような楽観できる状況にはないようだ。

僕は彼のデータを検証した訳ではないが論理は正しいと思うし、前述のように検査数はあまりあてにならないから、考えを『少し楽観』→『様子見(いちおう警戒はつづけよう)』に変えた。

まだホントに分からないことだらけ。ただ専門家も含め分からないことが多い中で情報を互いに精査し、より良い方法を見つけていければと思う。あと僕はまったくの素人なのでそのつもり情報は読んで下さい。

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【おまけ(情報)】・・役立ったのでシェア。

▼PCR検査や抗体検査の解説動画
 いかに検査が難しいか新コロが厄介かなんかがよく分かります。


検査の説明、免疫応答、新規治療法の提案など(試験配信です)



▼(日本では知られていない)抗体療法(リンク)

上の宮沢さんの動画でも少し触れられていますが、ワクチンとは違って抗体療法っていうのがあって、実はフィリピンのドゥテルテ大統領がその情報を中国から得たらしく演説で触れていたので、僕も調べてみた。

簡単に言うとワクチンは弱ったウイルスとかを体内に入れて抗体を作らせるものなのに対して、抗体療法は抗体自体を選んで培養して体内に入れるような感じらしい。血清療法が抗体ができた人の血液を使うので大量にはできないが抗体療法はそれが出来るものと期待しているが、いろいろ課題もある。英語が苦手な人はDeepLを使って翻訳してみるのがオススメ。

www.cbsnews.com

基本再生算数をどう見る2

ここ2日間くらい基本再生産数R(0)とか実効再生産数R(t)について考えている。

前回は同じウイルスでも環境や習慣によって異なるだろうって事と、新規感染者数から推計するのも割に難しいだろうって話をした。

manisen.hatenablog.com



今回はもう少し、気がついたことがあったので考察してみたい。

それは『1:R(0)はステージによって変わる』という話。と
『2:Rに時間軸の概念を入れたらどうなるのだろう??』という話をしたい。


たまに確認のために言っているが僕は数理のプロでもないし、感染症のプロでもない。単なるニワカの好奇心で考察している。なので鵜呑みにしないようにして下さい。

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◆1:基本再生数はステージによって変わる(はず)

基本再生産数R(0)とはウイルスが1人から何人に感染させるかの指標で、ロックダウンとか自粛した上でどうなったかは実効再生算数R(t)というのだが、Rが1以上なら感染者は増加し、Rが1以下ならだんだんと収束していく。ってことになっている。

でも、いろんな資料を見ているとR(t)は増えたり減ったりしている。何の対策もしない状態ならR(0)=R(t) となり増え方も単純な二次関数で表されるはずだがおそらくはそうはならない。

 

どうして、そう思うか? 人口が100人いる村をイメージしてもらって、R=2つまり1人が2人ずつに感染させていくとして、最初は1人が2人、2人が4人って増えていくが、実際には接する人が既に感染しているケースがだんだんと増えていくから増加しスピードが遅くなる。

そう考えていくと、これが集団免疫の考え方なんだと思い出し、勝手に納得している自分がいる。その結果とR(0)が変化するのか、もしくはR(0)は一定として、その変化した結果をR(t)というのかは定義の問題なのはあまり良くわかっていない。


◆2:Rに時間軸の概念を入れたらどうなるのだろう??

1人が3人に感染させるとして(R=3) 感染させる速度は違うだろう。例えばエボラの場合はスグに重篤化してしまい死ぬことが多いので、感染させる期間が短いはず・・。それに引き換えて新型コロナウイルスは潜伏期間が3日〜2週間と長く、しかもインフルよりも長引くと思われているので、感染させる期間は長いだろうと思う。

なのでウイルス2種類あって両方ともR=3だとしても、1ヶ月後にどう増えているかは違うことがあるのだろうと思う。

そんなことを漠然と考えていて、夕方にフィリピン大学(以下UP)の分析をみて、T(2)という概念があることを知る。これは何日で感染者が2倍になるかの指標。これは時間軸の概念のないRの弱点を補うものなのだと思った。

www.up.edu.ph

上の分析を翻訳サイトの力を借りつつ検証していたのだけど、どうして研究者っていうのは新規の感染者数をここまで重視するのだろう??

以前にも書いたけど、今回の新型コロナウイルスの感染者数はあくまで認知数であり実態を想像する力が必要になってくる、国の方針によって違うので単純な比較はできないし、検査体制がだんだんと拡充されていくので、データとしての連続性も不確か。

この大学 UPの分析ではT(2)は約6日間としているが、フィリピンでは4/5以降に検査体制が大幅に拡充されている。以前は陽性率約7割と高く重症患者など限られた人にしか検査をしてくれていなかったと思われる。それに対して4/12では検査数が大幅に増え陽性率も他の国と同水準までに下がってる。そこから導かれる結論は『最初の感染者数は低めに出ている』ってことで、僕はT(2)は6日間よりもう少し長い8日間くらいだと推測している。

学校や研究機関は『多くが納得しやすい分析』をしたがる動機があると思う。推計のあちらこちらに『たぶん、実際はもう少し多い』とか『おそらく割ほど低くでてる』って曖昧な言葉を入れるほどに、読んでいて『凄い分析だ』とはならなくなる。ただし、新コロに関しては不確実なことが多く、変化が大きく、計算でそれは補えるものではない。計算力より想像力や推定力みたいなものが大事なのだろうと僕は思っている。


僕はたまに使う表現なのだが『AIであろうがスパコンであろうが、入れる計算式やデータに誤りがあれば正しい答えは出てこない』・・・おそらくデータサイエンティスとしての優秀さはそこで決まるのだろうと思う。企業の決算のように数字として固い場合はそういった能力は必要ないだろうが・・。


基本再生産数をどうみる!?

新型コロナウイルスが話題になってから僕はニワカのウォッチャーになっています。今回は『基本再生産数R(0)』などのデータについて考察してみたいと思う。あくまで素人の考察なので「査読を受けていない論文以下」というくらい軽く読んで下さい。またプロがみて間違いがあれば優しく指摘して下さい。

イメージだけ先に言うと『推論の積み上げ』ですね。

前半は『国や地域によって基本再生産数はかわるだろう』って話。
後半は『感染者数からも推論で割り出しているのだろう』って話。

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まず基本再生産数・・・今後は面倒なのでRと言います。Rはウイルスなどが『1人から何人に感染するか?』という指標で、麻疹のように感染力の強いものもあればそうでないものもある。単純に感染しやすいかが重要なのではなく、感染しやすくても凶悪なウイルスは致死率が高いだけでなく早く重篤化する傾向があるので結果的にRは高くならない。大勢に移す前に死んでしまう感じ。

新型コロナウイルスの場合はインフルエンザと比べ、潜伏期間が長く、症状も長引く傾向があるらしく、さらに無症状で感染するなどRを大きくする要素となっているようだ。ただし平均的に感染を広げる感じではなく8割はほとんど感染させることなく、残りの2割が多くに感染させるという特徴があるという報告もある。


一般的にRはウイルスによって数字が決まっていると思っている人もいると思うが、僕はあくまで推論を積み上げた上での平均値としてであり、地域によって違うと思う。


◆例1: 都会と田舎。

都会の方が人口密度が高い。満員電車で通勤する場合と田舎で自家用車で通勤する場合では感染するリスクはかわってくるだろう。

なので基本的には 【都会のR >  田舎のR】となると思う。


◆例2:公衆衛生やキスやハグなどの習慣。

感染症では飛沫感染以外にも接触感染などがある。主にウイルスをさわった手で目をこすったり鼻をほじったり、口をさわったりと粘膜のあるところで感染する。手からウイルスが入ることは風邪の原因になるようなウイルスではあまりないようだ。

なので、手洗いの習慣のある国とない国では違うはず。またレストランなどでテーブルをシッカリと拭く店と、拭かない店では違う。日本では拭くのが当たり前だが国によっては違う。

加えて欧米などはキスやハグの習慣がある。握手なんかも多い。日本は握手をすることもあるがほとんどは会釈のみで終わることが多いと思う。

なので、【不衛生な国の R > キレイ好きな国の R】だろう
また【スキンシップの多い国のR > スキンシップの少ない国のR】だろうとも思う。

◆その他

それ以外にもBCGの接種によってウイルスに強くなっている説もあるし、風邪の流行するような温帯では旧型コロナウイルスに感染して抗体がある人も多いかもしれないので、新型に100%ではなくとも20%くらい強い・・・という可能性はありえる。また気候の影響も無視できないと思う(風邪が冬に流行するなど)。いろんな要因があって、基本再生産数Rは推論の積み上げで成り立っていると思う。


ここまでが前半。後半は『実際の感染者からRを割り出す時の難しさ』・・これも推論の積み上げだって話をしたい。

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新型コロナウイルスは武漢発と言われていて、そこから中国全土、そしてアジア、中東やヨーロッパ、アメリカ、南米、アフリカなど全世界に広がっていった(パンデミック)

 

各国では連日、感染者数や死者数、回復者数などを発表している。

一般のイメージはそれらをグラフにすればRを割り出したり、その先が簡単に予測できると思いがちだが、実際には結構ややこしい。


◆1:感染者数などのデータはあくまで認知数でしかない。

感染しているか知る為には検査をする必要がある。検査で陽性と判定されてはじめて感染者となるのが一般的(※1) その陽性とでた数の裏に実際にどれだけの感染者がいるかは推定するしかない。国によって検査状況は違う。積極的に検査したのは韓国。ドライブスルーなども活用して検査数を増やした(※2)。日本は重症者をケアすることを重視して検査はしぼってきた。なので認知件数としては少なく出ていただろうし、実数を把握するのが難しい国の1つ。

もっと難しいのが途上国で『PCR検査ができない』などの理由で限られたケースのみ検体を採取し海外(※3)に依頼するなどしていた。その後で検査キットを入手するなどして徐々に検査体制が整ってきてる感じ。

また検査数が多ければ実態が把握できるかというと、それも簡単にはいえない。ニューヨーク(NY)のようにオーバーシュート(爆発的感染)をしてしまったところは、検査をいくら増やしても、感染者数の増加に追いつかないって事態がおこると考えられる。

数字上の感染者数は(いくら実際の感染者数が増えたとしても)検査数を越えることがない。

また厄介なことに、同じ国でも徐々に検査体制が整うなどするので、感染者数の推移を見る上での連続性がない。


◆2:死亡数の推移について。

検査の少ない国でも、比較的固い数字が死亡数だろうと思う。死んだかどうか確認するのは普通は簡単にできる。ただし武漢のように厳格に封鎖してしまった場合には家で死んでいても放置せざるをえないなどが考えられ、数値にタイムラグがでたりするだろうし、肺炎で医者が新コロを疑ってもなかなかPCR検査がされないってことが日本であった(最初、今はちゃんと検査されているはず) そういった場合は新コロでの死者なのにカウントされない可能性はある。

死亡数(人口当たり)は感染拡大がどのていどしているのかの目安にはなるだろう。

ただし、これも難しい要素があって、1つはイタリアや武漢のように医療崩壊を起こしているケース。死亡率が増える。また途上国では通常の医療設備が整っていないということで死亡率はあがるだろうと考えるが自然。

新コロについては、まだ治療法がない。基本的には自然治癒力に任せることになり、重篤化した場合に人工呼吸器やECMO(※4)を使える場合は死なずに済むかもって感じ。

なので個人的には【どれだけの人が重篤化したのか?】を比較するといいとは思うが、共通の基準を作って各国が公開している訳ではないのでそれも難しい。


◆後半のまとめ

結論としてはRをデータから出そうにも、推測するしかない感染者数や死者数を積み上げた上での仮説に過ぎない。ただし僕はこう思う。

日本やフィリピンのRがイタリアやNYのようにオーバーシュートしてしまった国と同じだとしたら、それらの国より先にオーバーシュートしていないと辻褄が合わない。

日本は中国に近く入国制限も他国より遅かった。更に自粛を始めたのも遅いし、4/12時点ではロックダウンもしていない。法的な問題もあって『強いお願い』という状態。それでも感染者数や死者数がヨーロッパ諸国より少ない・・・この事実は受け止めるべきだと思う。

いろんな心配もあって厳しく自粛したい気持ちも分かるが、同時に強い自粛による被害(経済ダメージや自殺数の増加など)もあることは軽視してはいけないと思う。もっともこの点については価値観の問題もあるので異論は認めます。

そしてRを割り出すのは難しいと思うからこそ、僕は西浦さんにR=2.5の根拠を示して欲しいって思っている訳です。


※1:国によっては違うらしいがややこしいので除外。
※2:ただし検査精度があまり高い訳じゃないので偽陰性なども問題もあるので検査をどこまで増やすべきかは専門家でも意見が分かれる。
※3:フィリピンの場合は当初はオーストラリアに検査を依頼してたようだ。
※4:ECMO:人工呼吸器が肺の機能を補助するのに対してこれは肺の機能を代替する。