フィリピン考察記

+腎臓病の療養記 in MANILA

(第3話) フィリピンの腎臓専門医

6月中旬に人間ドックの結果を受け取り、下旬に友達である女医(外科医)のニナイに手配してもらい腎臓専門医を受診する。いちおう少しは英語が話せるのだが日常会話とはまた違う。そんな時に医師の友達がいると気は楽だ。ニナイは診療の合間を縫って付き添ってくれた。

 

とはいえその専門医は僕にとって満足できるものではなかった。語学力の問題もあるが、医療システムも違うフィリピン。まず専門医に人間ドックの結果(主な単語には英訳をつけてある)をみてると、たいした問診もせず扁桃腺の腫れや触診もせず、ニナイと話をする。雑談を入れつつ10分くらいだっただろうか。だいたいの内容は『いまくらいなら特に問題なさそうだね』ってな感じ。

もちろん悪化させないというのが1つの目的ではあるが、問題ないにせよ。説明が足りない気がした。その時点で僕もまだ勉強を始めたばかりだったので腎臓病について的確な質問が出来なかったというのもあるが、専門医の診断はこんな感じだった。


■今の状態はそんなに悪くない。薬を処方する必要はない。魚油(サプリ)のみ処方。
■しばらくして尿や血液の再検査(検査は別の所)をして悪化したらまた言ってきて。
■検査は腎生検で大体5万ペソくらい(推定12万円)。■診断料700ペソ(推定1700円)
■A4を縦に半分にしたサイズの厚紙(片側は薬の宣伝、もう片側に食事療法(タンパク質)について書かれている)

診断料はフィリピンの庶民の診療所で200ペソくらい。普通の病院で500ペソくらいだと思っているので専門医としてはまぁ妥当だと思ったが、5万ペソといえばフィリピンでは大金。ニナイの紹介だから無茶な吹っかけはしてないと思うが、ちょっと高いと思った。後で調べてみると日本の場合は入院して腎臓に太い注射を刺して腎臓の組織をとって顕微鏡で検査するものらしい。またフィリピンの場合は医療制度がアメリカから入ってきてることもあり少し高度な医療になると高くなるみたい(風邪などの治療は安い)

僕は不満だった。もちろん医療を学ぶコストはフィリピンとはいえそこそこかかる。ただフィリピンの医者の人件費は日本に比べるとずっと安い。そして専門医というなら『じゃあちょっと検査しましょう』って注射して顕微鏡を除いて診断って1万ペソくらいで出来そうなものと思ってしまった。もちろん安静が必要なので入院したりはするが、まだ30代で独立した専門医が『どれほどの経験を積んでいるのか??』と考えると、
フィリピンでこの金額なら、検査できる人は限られてくる。多くが諦めているだろう。そんなので十分な経験が積めるのだろうか??と思ったのだ。

僕がその専門医の経験不足を感じたのは、それだけではない。日本の腎臓内科なら通常の血液検査・尿検査より、1歩踏み込んだ検査をするらしい。それが『蓄尿検査』と『クレアチニンクリアランス』・・・例えば通常の尿検査でタンパクを調べる時はその前にどれだけ水分を取ったかなどで尿の濃さはかわる。それを1日分の尿量と濃さをとることで現在の腎機能をみるといった感じ。まぁつまり、それらの検査をせずにいきなり腎生検をしようって部分。もちろんその方が早い。医者としては楽だろう。報酬も多い。だが腎臓病の基本治療は『食事療法を抜きにしては語れない』と言われていることを考えると、まずその検査で腎臓の悪化具合をみて、治療方針を立て、食事療法を中心に組んでいくのが筋のように僕は感じた。

僕は自分で勉強していろんな人の体験なども読んで、やっぱり日本で精密検査をしようと思った。体調しだいではこちらでもう1度、血液検査と尿検査(通常のもの)をしたり、場合によっては緊急帰国も考えてはいるが、当面は自分で『食事療法に取り組もう』という方針をたてたのでした。



9月18〜29日の帰国までのミッションは病院選び、そして検査が期間内に終了できるように手配をすること。基本的には上記の2つの検査をしてもらい、必要に応じて腎生検もその期間中にするつもり。

健康保険から離脱しているから『医療費全額負担』にはなるが、それは仕方がないと思っている。それに人工透析などは莫大なお金がかかるらしいが、腎生検くらいなら入院が必要とはいえ (掛け金を払ってないことを加味すると) 何とでもなる金額だろうと思う。