KOYA(マニラで子供らと遊ぶ)

庶民エリアにコミュニティスペースを作ってみた。

エコーチェンバーの危険性

学生らがSNSなどを使うことを制限する動きがある。先日もどこかの自治体で『1日2時間以内に』といった条例が可決されたみたい。まぁそのケースは努力目標みたいなもので強制性もなければ罰則もないのでアリといえばアリ。だがオーストラリアとか禁止に走る国もある。

 

僕は禁止は行き過ぎだと思うが、SNSなど使い方が実は難しく、便利だが危険なのでリテラシー教育はもっとした方が良いと思う。ネットでのイジメやデマとか詐欺とか・・・AIで更に高度になっていくのにとても危うい。

今回は日記ではなくエコーチェンバーの危険性について考えてみたい。

エコーチェンバーとは主にSNSなどオンライコミュニティで生じやすい現象で、自分と同じ意見や価値観ばかりに囲まれてしまう状態を言う。いちおうChat GPTに聞くと5つ出してくれた。

 

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■問題1:偏った意見の強化

似たような意見の人達とばかり関わり、そういう意見を繰り返し聞くことで確証バイアスが強まり、誤情報や陰謀論であっても『多くの人達が賛同している正論』のように錯覚する。

■問題2:社会の分断

異なる意見との接触が減り、更に対立する考えの人達の価値観とか考え方を偏った想像で作り上げてしまう。

 

■問題3:反対意見に触れないため、自分の考えを検証したり論理を磨いたりする機会が減る。

 

■問題4:集団極性化
同じ意見を持つ人々が集まると、時間が経つにつれ意見がさらに過激化しやすい。

 

■問題5:現実との乖離

閉じた空間で形成された『常識』が外の現実社会とズレ、誤った判断や行動につながる。

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それを踏まてて現在の政治状況を眺めると、右派も左派も極端なグループがいる。あえて極左という言い方をするが、そのエコチェンの中では安倍晋三元総理は旧統一教会と組んで悪の限りをつくしてきた極悪人みたいな見え方になってしまう。そういうエコチェンで強化された安倍悪人像が増幅されたのが暗殺に至った1つの小さくない要因だと僕は思う。
また極右の方も酷い・・。政党の中にいる間は各メンバーが素晴らしい人であると支持者らから称えられ、それが揉めて離脱すると『前から好きじゃなかった』とか『人相が悪い』とか『カネに困っている』とか『スパイ』とかボロクソに言われる。それが上記5つの問題のように極端になる。

 

僕があらためて表現するなら『悪の伝言ゲーム』状態だと思う。リーダー的な存在の人が憶測でモノをいうとその支持者らの間でも似たような発言がされ、『XXXかもしれない』がそのうち『XXXらしい』になり『XXXしていた』と確証みたく広がる。

 

エコチェンの外から見ているとそういうカルト的な集団、脱退したら集団リンチされるような集団は怖いとしか思わないし、そういう集団に入っていくのは危ういとしか思えない。

 

またエコチェンの難しさはSNSがもたらす承認欲求にも関係している。使っている人の多くは意識していないが、例えばインフルエンサーに褒められたとかフォローされたというと嬉しくなる。他の人達から褒められる。それが実社会が充実している人にとってもそうだが実社会が充実していない人にとっては麻薬的に作用する。ドーパミンが分泌されギャンブルや美味しい食事をした時のように快感が伴い、自然とそれを欲するよううになっていく。

しかもギャンブルと同じで常に良い反応が来るワケでない分だけ依存もしやすい。そしてそういった状況ではそのエコチェンの中で論理的な事やエビデンスのある理性的なコメントより、根拠が乏しく扇動的な過激な発言の方がイイネがついてしまう。多くがグループの成功にともに喜び、対立するグループや離脱者に強い嫌悪感を示し、叩くような行動にでる。とても危うい。

 

だからこそ学生にはSNSなどのリテラシー教育をしていく必要がある。ホントは大人にもしていくべきなんだろうけど、大人への啓蒙はその何倍も難しいと思う。