フィリピン考察記

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インド変異株の感染力1.5倍は妥当なのか?

西浦さんは『インドの変異株の感染力がイギリス変異株の1.5倍』だと推測して警笛を鳴らしている。僕は素人であるが1.5倍という数字がもたらすインパクト実行再生算数が少し増えるだけで加速的に差が開くことくらいは理解しているので、ホントにそうなのか疑問に持っているので、反証にはならないかもしれないが疑問点を書いてみたいと思う。

▼なぜ疑問を持ったのか?

それはインドで感染爆発して世界最悪のような報道がされているが人口比で考えるとイギリスやフランスの流行に及ばないから。インドにも東アジアほどではないにせファクターXがあるのかもしれないが、その可能性はいったん横において、人口あたりで見ると、感染者数ではイギリスの感染爆発(1/1頃)には遠く及ばないし、ブラジルが継続的に流行していたのにも届いてピークアウトしている。

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死者数の方は人口ピラミッドの違いも大きいのだろうが、とりあえずインドの死者は2国に比べるとずっと少ない。

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※西浦さんの説。は基本的にはTrevorさんのデータからの受け売り。

Trevor さんのTwitter : https://twitter.com/trvrb


▼Trevor さんのデータへの疑問 いちおう赤で色分けします。

 

1:そもそもインドでイギリス変異株は流行していたのか?

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その前に軽く疑問なのが色ついた丸が実際のデータで、実線は彼自身が書いたもの。トレンドをちょっと極端に書きすぎのように思う。次にB.1.1.7がイギリス株。B1.617がインド株 3つあるのはそのマイナーチェンジだろうと思う。

では同時期の感染者数と比べてみる。

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これはGoogleで期間を1月-最新のものにした新規感染者数のグラフ。インド変異株といっても急激に数を伸ばしたのは<.2:紫> だがそれが流行しはじめた3/1頃。新規感染者数は約1.5万人。ぜんぜん流行前になる。その前後において<インドの変異前の株とも割れる.1>と<イギリス株:青>に大きなシェアの変化がなく


インドにおいてイギリス変異株は特別に感染力が強かったワケではないように思う。

その後に<.2>がシェアを伸ばすのだが、イギリス株を駆逐する感じではなくイギリス株も増えるが、インド変異株の方が早く増えた感じ。たしかにインドでは感染力が強いように思う。ただしこれには検証が足りてない可能性がある。それはエリア別の分析がされていない点。例えばイギリスの変異株が主に入ったエリアと、インドの変異株が流行した地域が違うとしたら、地域差によって気候の違いなどの要素があるすれば、必ずしもインド変異株の感染力が強いとも言い切れない気がする(あくまで可能性止まり:説得力は弱い)

 


2:海外でインド変異株はホントに流行しているのか?

 

次に海外のデータが6ヶ国 示されている。それらの国々で『インドの変異株が急増の兆し』のように感じるグラフ。どこのグラフで僕が疑問に感じたのはその左のメモリのフリ方。上で見たインドが<0%-20%-40%-60%-80%-100%> ここでは<0.1%-1%-10%-50%-90%-99%>みたいな特殊なものになっている。<インド変異株:ここでは赤> が凄いシェアを伸ばしたかといえば1%前後。僕の経験不足・知識不足でどう判断していいのか分からないが、例えばドイツではイギリス変異株も増加していてインド株の感染力がそれ以上であるのかがわからない。

それとここで僕が1番 気になっているのは『このインド株は市中感染なのか?それとも空港検疫なのか?』という点です。例えば日本でも空港検疫で今インド変異株が多く見つかっている(記事)。市中感染は少ない(少なくとも発見されているものは)、もし下のグラフに空港検疫が入っていて、単にインドから逃げて帰ってきている人が増えているのだとしたらインド変異株がそれらの国で増えているのかは判断できない。

 

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もっともそれぞれの国の感染者数を計算して比較すればいいのかもしれないがそこまで余裕がない。日本は空港検疫がザルだと批判されている。イギリスはともかくベルギーやドイツやオランダでよりは日本の方が変異株が入ってきやすい状況にあるのではないか?と思う。日本の方が近いし・・。

 


3:隣国のパキスタン:バングラデッシュでの流行は?

僕は変異株の感染力を見るのに、イギリスや日本など遠い国より隣国への影響が先に出ると考える方が自然だと思う。インドがどのていど国境を封鎖しているのかは知らないがもともと同じ国だった2ヶ国。人種も近く、親戚なども多いはず・・。貿易なんかも陸路でされている可能性が高い。

下のグラフは3ヶ国の新規感染者数の比較。インド以外の2ヶ国ではほとんど流行らしい流行は見られていない。イギリスで変異株で感染急増した頃に隣国アイルランドでは他のEU諸国より早く変異株での急増が見られた。

その割には・・・という印象。『インドの変異株の流行!』といっても半分くらいの理由は『宗教行事でクラスター発生』ということもありそうな気がする。変異株の感染力といってもまだ今の科学力では推測の要素が強く、小さな変異を頻繁にしているされる新型コロナウイルスで単にスーパースプレッダーで急増したのか感染力UPによるものかの判別ってそんなに簡単ではないとも思う。

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とりあえず僕には今の段階でインドの変異株がそこまで感染力が強いとは思えない。もう少しデータが増えるのを待ちたいと思う。