フィリピン考察記

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新型コロナウイルスの検査をしすぎてはいけないのでは??

(3/1 追記:この仮説の前提になる特異度90% が疑義が出たので撤回します。また岩田医師も偽陽性の問題は今のところないと言っているので信じます。)

(世の中は分からないことばかり、それがオモシロイ今日このごろ)

前回は韓国の感染者数の激増の背景に検査のしすぎによる偽陽性がかなり入っているのでは?? って記事を書いた。

manisen.hatenablog.com


僕は素人なので、できれば感染症のプロとかせめてウイルス検査の感度とか特異度を理解している医師などに、その仮説が『どのていどありえるのか?』聞いてみたいと思っているのだが、なかなか反応が薄い。


今回はもう少し踏み込んでみたい。どういったケースにどの程度の偽陽性が出るのか?を示してみたい。前回と同様、素人のにわか勉強による仮説なのでそのまま信じないように。またデマだと叩かないで欲しい。間違ってたら根拠を出して優しく教えて下さいな。


ちまたでは『検査をしすぎてはいけない』といわれていたりする。

 

その理由の1つは『初期症状で検査をすることで医療リソースを食う』ということだが、それは今回のテーマではない。また検査の問題として『偽陰性の問題』もある。これは感染しているにも関わらず陰性と出るケースで、それにより隔離されず感染が広がったりするような問題だがそれも扱わない。

扱うのは『偽陽性の幻の感染者を生み出してしまう』という点。

僕と同じ論理好きの人には割にオモシロイ計算なので、少し面倒かとは思うが、興味のある人は、『ウイルスの検査で、感度・特異度・有病率・陽性的中率・陰性的中率を勉強してもらいたい。下記リンクとか分かりやすい。

www.cresco.co.jp

 

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まぁややっこしいことを勉強したくない人の為に、100人を検査した場合に、どれだけ偽陽性が出るかを出したい。有病率は母集団の中にその感染してる人がいる割合。100人中10人いたら10%、1人なら1%。簡単ですよね。感度は感染している人をどのくらいちゃんと陽性だとできるか。特異度は逆に感染していない人をどれくらいちゃんと陰性とできるかです。詳しくは上のリンクで勉強して。

感度も特異度も精度を表すものだから、高い方がいい。理想は100%。両方とも100%なら検査の結果を疑う必要がなく気楽な話。ですが実際の検査精度はそんなに高くない。専門家の試算をいくつかみたのだが、例えば仲田洋美医師は中国などのデータから『感度40%~70%、特異度90%』として試算しているし、五本木クリニックの先生は記事にて精度が世間が思っているより低いことを示す為に『偽陽性や偽陰性を共に高めの95%』として試算している。

https://minerva-clinic.or.jp/blog/king-of-fake-lie-of-the-medical-doctors-on-air/
https://www.gohongi-clinic.com/k_blog/3873/

あともう『有病率』を加えた3点を入れて、計算する。計算はここを利用させてもらった。

検査結果における陽性的中率と陰性的中率(有病率指定) - 高精度計算サイト


次はいよいよ計算。

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▼ A:有病率40%の場合
例えば実際に症状が出ていて医師が『通常の肺炎ではないゾ!』って検査する場合は、そのくらいを見積もってもいいかもしれない。有病率40%なので感染者は100人中40人いる。

A-1 :感度70%、特異度90%だとすると・・。
= 陽性的中率82.3% 、陰性的中率81.8%  なかなかの数字。 

A-2 :感度95%、特異度95%だとすると・・。

= 陽性的中率92.6% 、陰性的中率96.6%  さらに良い数字。 

 

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▼ B:有病率20%の場合
例えばクルーズ船の場合は3500名くらいいて700名くらいが感染したとされる。実際にはその数字は偽陽性とかを含んだ数字なので正確ではないのだが、仮にそのくらいの人数が感染していた場合は、有病率20%のケースとしてイメージしてもらえばいいと思う(感染者は100人中20人いる)

B-1 :感度70%、特異度90%だとすると・・。
= 陽性的中率63.6% 、陰性的中率92.3% と陰性の診断結果はそれなりに信じられるが陽性という結果がでても3人に1人は本当は感染してないないことを意味する。

B-2 :感度95%、特異度95%だとすると・・。

= 陽性的中率82.6% 、陰性的中率98.7% さすがに上より精度が良いので的中率は高い。


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さてここからが面白くなってくる。

▼ C:有病率5%の場合
韓国では宗教団体で集団感染が発生し、さらに20万人の信者を見つけ出して全員検査するとガンガンと検査を勧めている。例えば最初の集会で有病率が20%だったとして、信者が各地に散って、最初の集会などに参加していない信者を含め検査した場合、実際に感染している人は相当に少ないと思われる。本当は0.1%とかにしたいのだが仮に5%としてみる(感染者は100人中5人いる)

C-1 :感度70%、特異度90%だとすると・・。
= 陽性的中率26.9% 、陰性的中率98.2% となる。もともと感染していない人が多いので陰性って僕があてずっぽうで言ったとしても95%の確率で当たる。問題は陽性適中率の方。これは陽性とでた人で実際に感染しているのはわずか26.9%しかいないという意味で、100人の検査をしたら実際には5人しか感染していないのに感染者数は13人と出ることになる。

もしこのレベルの有病率の人達にこの精度の検査をガンガンやっていくと、1万人検査すると500人の感染者がいるところを、1300人の感染者がいるかのような結果が出てしまう。僕はこれでも十分にパニックをおこす要素だと思うが、実際には疑わしい人にガンガンと検査をしているのだから実際の有病率は更に低いものと思う。

あなたが医師だとして、患者さんから『どうしてもコロナウイルスが心配なんです』って言われて検査してあげることが出来るとして、結果が陽性だったら何を言ってあげますか?

医師X「結果が出ました。残念ながらあなたは陽性でした。でも感染していない確率の方がずっと高いので安心してください』って言います?? 逆に逆に陰性だという結果が出たとして、「良かったですね陰性でした。でも、わずか1.8%ですが検査精度の問題で感染しているかもしれません」って言います。

『それともその事は言いませんか??』・・・それって誠実ですか??


C-2 :感度95%、特異度95%だとすると・・。

= 陽性的中率50% 、陰性的中率99.7%  陰性適中率は問題ない。が、やはりこれだけ精度が高いとされる検査でも、陽性っていう結果は1/2しか信じられません。それで信じられるといえるのだろうか・・・。


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最後もう1つ踏み込んでみます。

▼D:有病率0.1%の場合

例えば新型コロナウイルスの震源地とされる武漢市、それのある湖北省では感染者がだいたい6.5万人いるとされています。相当な数です。ですが、湖北省の人口って5800万人いる訳で、それらの人をランダムで並べ、ボールを投げて感染者に当たる確率。というか有病率って、だいたい0.11%です。もっとも実際の感染者数はその数十倍とかって言われていますからその有病率はあてにならないのですが、例えば北京とかどうでしょう??感染者数(公表値)で約400人。仮に実際の人数がその50倍いると仮定しても、感染者数は2万人です。人口2000万人。人口の0.1%の有病率となります。当然ながら人口1億2700万人いる日本では感染者数としては200名弱です。検査があまりされていないので例えば100倍の感染者がいるとしても2万人、クルーズ船は検査がだいたいされているので100倍する訳にいきません(そもそも乗客を大きく超過してしまいます) なので、有病率0.1%くらいになります。

※あくまで試算なので、仮に『実際の感染者数は公表されている1000倍いるんだ!』って人は有病率1%として計算してみてください。


D-1 :感度70%、特異度90%だとすると・・。
= 陽性的中率0.69% 、陰性的中率99.96%  もう検査の意味が全くないと僕は思う。なんせ陽性って結果がでても99%以上が実際には感染していない陰性なのですから・・・。

D-2 :感度95%、特異度95%だとすると・・。

= 陽性的中率1.86% 、陰性的中率99.99%  精度が比較的良いとされるケースでも陽性の結果はまったく信じられない値となります。



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(素人の僕的な)結論としては

◆1:新型コロナウイルの感染がそれなりに疑われるケースでないと検査しても無意味。

 ◆2:有病率が低いのでガンガンと検査すると、そのほとんどが偽陽性。

・・・という訳で僕は前回の記事のように、検査をドンドンとしている韓国やおそらくイタリアでも、偽陽性がかなり含まれていると疑っている訳です。

ちなみに中国はおそらく検査を絞っています。そして僕は日本の方針を支持しています。それは『医療リソースを守る』ってことだけではなく、検査を必要以上にすると、無用に感染者数を増やしパニックを起こすと思うからです。

世論がどう思おうが、マスコミがどう騒ごうが、現代の医学では上のような検査精度であろうと専門家が考えていて、科学的に考えるとそういう結論になるのだろうと僕は考えています。

ただし素人の試算ですので、鵜呑みにせず、ご自分でも調べて見てください。特にジャーナリストは感染症のプロに、上のようなことを聞いてみてください。僕も仮説が当たっていることは望んでいますが、仮にそれがトンチンカンな間違いであっても、複数の専門家から指摘され、納得できることを望んでいます。


(追記:8/28) 『陽性の人は陽性と考えていい』と宮坂医師は言っている。また実は岩田医師にもTwitterで軽く聞いてみたのだが『偽陰性が問題』だと回答をくれた。僕はこの記事の計算自体は間違っていないと思っているのだが、感度や特異度ってもっと条件によって違ったりして偽陽性ってそんなに多くないのかな??と不思議になってきた。専門家にちゃんと聞いてみたい。

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