フィリピン考察記

ほぼ文章だけのブログ

マニラ在住・COVID19の懸念

コタキナバルからマニラに戻ってきた。

 

僕は新型コロナウイルス(正式名称COVID-19) について割に初期の頃からウォッチしている。僕のような分析好きには興味深いケースだから。Twitterでもたびたびつぶやいてきたが、マニアックなものがあったり連続ツイートとか変な誤解を避ける為にこれでも控えめにしてきた。『マニラに戻ったらブログに書こう』と思ったから。このブログなら影響力は小さいし仮説や考察をしても問題ないだろう。


さて今回は『フィリピン在住の日本人』としてその影響を考えてみた。

◆懸念1:フィリピンは日本からの入国を禁止にするのか?

◆懸念2:フィリピンでの感染拡大のリスク

 

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◆懸念1:フィリピンは日本からの入国を禁止にするのか?


1月27日くらいの時点で僕はその可能性を感じた。ドゥテルテ大統領は比較的早い段階で中国武漢からの入国を拒否した(加えて既に入国した人をお繰り返したりもした) 医療体制の脆弱な途上国において感染症の蔓延は大きな痛手になる。

2/17現在での日本の状況はクルーズ船を含むと感染確認された人は400名を越えた。その中の350名ほどはクルーズ船関連で『国内の感染拡大については数字ほど影響がない』と思うが、問題なのは『市中感染が始まった』という点。

残念ながら今後も広がっていくだろう。それをフィリピンがどう見るか。どの段階で決断を下すのか。僕は3/1-11日で一時帰国するので懸念している。いちど帰国したらマニなに戻って来られない可能性がそれなりにあるとういうことだから。


その入国禁止に対して、3つのポイントがあると思う。1つ目は当然ながら日本での感染拡大状況。2つ目はフィリピンでの感染拡大。感染が既に広がっている国で同程度の感染が広がっている国から禁止する意味はさほどない。

フィリピンの感染者数(※)は3名とされているが、それは検査体制が整っていないからで感染が疑われている患者は約500名いるとされるが (後述するが感染拡大の具合からフィリピンが日本を追い越す可能性もない訳ではない)

https://www.rappler.com/nation/251912-suspected-novel-coronavirus-cases-per-region-philippines-february-16-2020

※感染者数とよく言われるが、これは『感染確認された数』であるということは割に重要。実際の感染者数は発見された数倍~数十倍いるだろうし、検査体制が整っている先進国の方が数字が大きくでる。

あと3つ目は『その試金石となるのはシンガポール』だと思う。シンガポールは日本よりずっと小さな国だが既に感染者数が75名。日本より検査体制が整っていることもあるが対外的には(クルーズ船を除けば) 日本よりリスクの高い国ということになる。いちおうシンガポールが入国禁止になったなら日本も禁止になる目安になる。ただし同時ということはありえる。逆に今の傾向で日本を先にしたらフィリピン政府はバカかもしれない。

ここが難しい部分なのだが『感染リスクの高い国』ということを考える上で多くの人が人口とか面積を考慮していない。例えばシンガポールと比べるなら大阪と比べるくらいが妥当。

特に酷いなって思ったケースは『日本は(感染者数で)上海を越えた』みたいに不安を煽っている人。少しバズっていたが直接の反論は控えた。ただその比較のアンフェアさに気が付かずRTする人の多いこと・・多いこと・・・。


 

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◆懸念2:フィリピンでの感染拡大のリスク

 
最初に僕なりの結論を書いておくと『フィリピンには日本より感染者が来ていないので初期の感染者は少ないが広がりだすと日本より広がりやすく危機に陥りやすいと思う』

 フィリピンで感染拡大はどの程度になるか。仮に日本とフィリピンの両方で感染が拡大した場合に、医療体制の脆弱なフィリピンの方が感染時のリスクは高いだろう。病床数が圧倒的少ないだろうし数だけでなく重篤化した場合に対応できる場所も限られてくるだろう。患者が大勢いる場合は『重症な人を優先する(トリアージ)』みたいなことは行われる日本に対して、フィリピンの場合は『貧乏人は最初から見捨てられる』そして高度医療が受けられるような病院は政府関係者や金持ちなどコネがある人を優先することになるだろう。

感染拡大が本格化しそうな時は日本に避難するというのも選択肢としてアリだろうと思う。ただし健康な人が重篤化する確率は低いのでそこは不安な話を聞く度に思い出して欲しい。

さて僕は日本とフィリピンを比較した場合に『蔓延した場合のリスク』以外に2つテーマがあると思う。それは『どれだけ感染者がフィリピンに入ってきているか?』と『感染拡大のスピード』の2つだ。


中国(主に武漢)からは感染を恐れ500万人もの人が閉鎖前に市外に逃げたと言われている。数については諸説あるだろうがあまり問題ではない。では逃げた時に『どこに逃げるだろうか?』と自分が武漢人になったつもりで考えてみた。

当然ながら中国の他のエリアに逃げることをまず考える。遠くの親戚等。多くがそうしたと思う。その後中国は団体での海外旅行を禁止していて、海外に逃げるにもお金がいる。加えて海外避難を考えた時にしらない国っていうのは不安なのでどこにいくかは考える。

中国人がビザなしで渡航できる国は限られている。フィリピンはビザなしではないけない国の1つ。日本は15日以内なら渡航できるらしいが滞在費はそれなりにかかる(金持ち以外はムリ) 僕ならタイに逃げるかな・・って思った。

それと感染者がどれだけフィリピンに入ってくるかを考える上で観光客数というのは参考になると思う。例えば日本だと年3200万人くらい。フィリピンだと800万人くらいだと思う。日本は首都東京に1200万人とかいっているが、首都マニラはその多くはトランジット利用となっている。もちろん今は観光客自体が全体として減っているとは思うが、傾向としては日本よりフィリピンの方が外国人の出入りが少なく感染者が入ってくる数は少ないと思われる。

もちろん中国からの入国禁止をしているという部分もある(日本は今だに中国の限定エリアのみ禁止)


さて『感染拡大のスピート』についての話にうつる。

東京や大阪などの大都市の混雑も相当なものだが、マニラも負けてはいない。感染が広がりだしたら止める手段はない。中国のように『強制的に都市を閉鎖する』というのは難しい。ただ日本とフィリピンが違うのは庶民層の多さ。

例えば平均的な日本の家庭なら家族の中に新型コロナウイルスの感染が疑われる人が出た場合に、子供部屋などに隔離ができる。食事を差し入れるなどして接触頻度を減らすことができる。

それに比べフィリピンの平均的な家庭は庶民層ってことになるのだが、1部屋に5人とか住んでいたりする。家庭内での隔離は不可能。次々に家族に蔓延する。加えて地域のつながりも強い。隣人との接触が多い。そういう集落で感染が広がった場合にはカオス。僕は比較的安全なビレッジに住んでいるが集落に住む友達も多いのでアウトブレイクに備えを進めているところ。そについては別記事で。

あと症状が出た場合の対応。日本の場合は『責任感とか義務感から出勤する人が多い』のに対して、フィリピンの場合は『生活費を稼ぐために出勤する人が多い』だろうと思う。お金に余裕があるフィリピン人は簡単に休むが、ない人はそうはいかない。

かりに感染が拡大して自宅待機をしろ!との発表があったとして、日本ならそれなりに心がけるような社会だと思うが、働かないと経済的に困窮する人は症状を偽ってでも働くだろうと思う。

そんな訳で広がりだしたら、日本よりフィリピンの方がより感染者が加速し、医療崩壊しやすいと思う。おそらく医療体制は中国の武漢市より酷い。アウトブレイクした場合には医療崩壊するだけでなく、自宅療養する為の解熱剤等の薬も不足するだろうし、流通が滞れば食料とかも心配。まぁ中国みたいに道路封鎖とかはしないだろうからそれなりには流通は残るとは思うが・・。

ただし1つフィリピンの希望は『感染拡大しても重篤になりやすい高齢者が少ない』ということだろうと思う。


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ついでに『フィリピンを逃げるタイミング』について考えてみたい。

前述のように蔓延し場合には日本よりフィリピンの方が危険だと思っている。僕は家に篭りつつ、大事な人達を支援できればと思っているが、仮に逃げる場合はそれほど急がなくてもいいと思う。

感染懸念の数はあるていど分かるし、それなりには逃げる手段はあるだろうと思う。目安にしたいのが感染者数ともう1つ。『日本からの入国禁止』になるかどうか。入国禁止になってもフィリピンを出国して日本に逃げることは可能なのだが、航空会社としても日本からフィリピンへ客を乗せられないなら便数を減らさざるをえない。

避難する人は、その段階でフィリピンで蔓延しそうかを考えて判断したらいいように思う。ただし直行で難しくてもシンガポールとかを経由するなど方法はあるだろうと思う。