KOYA(マニラで子供らと遊ぶ)

庶民エリアにコミュニティスペースを作ってみた。

ハロウィン。集落でお菓子をばら撒いた

前回の続きです・・・・格差を感じる日 - フィリピン考察記

隣の集落で子供たちにお菓子をばら撒くことにした僕はFacebookで『一緒にする人がいれば』と思い告知。平日ということもあり参加はできないもののNAOさんからお菓子を預かりました。


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いちおう推定で200個くらいあるので1人3個として60人くらいには渡せるかな??

ビニール袋では中が見えてしまうので宿泊用の大型バックパックに詰め替えました。容積率95%ズッシリと重さを感じます。下1/5のスペースは区切られていてそこには予備のお菓子を入れました。

あと持って行ったものはカメラ・ボード・ゴミ袋・マスカラ。これは2回並ぶのを防ぐために爪に何か印をつけようと思い(こちらの選挙システムをマネた)見渡したらマスカラがあったので持って行った。

ボードには『Happy halloween』の文字と『2個はあなたに!1個はあたなの大切な人に!』というのを書いた。これはお母さんにあげてもいいし来られなかった兄弟にあげてもいいし、たしかTEDで見たと思うけど『人に与えること』は『幸せにつながる』らしいので実験的にしてみた。


ちなみに集落はこんな感じ。去年の大火災から復興は少しずつ進んでいますがまだ廃墟も混在しています。子供たちは瓦礫とゴミの散らばった所で遊んでいます。

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集落につくと顔見知りのオバちゃんに次いで友達家族の長女Cを発見した。とりあえず子供たちの多いエリアで『無計画にお菓子をばら撒く』というのは『(表現は悪いですが)ゾンビの中にダイブするようなもの』です。次から次へと増えて『僕にもクレ!』と囲まれかねません。

なのでCに説明して手伝ってもらことに。場所は少し隅に移動して少しずつミッションを進めようかと思いましたがオバちゃんが『ここでいいじゃん!』というので、まぁ今はそんなに人通りも多くないし『それでもいいかなっ!』ってそこですることにしました。

バックパックを置いてプレートを出す。まずはCとその兄弟に。2つは君たちに、1つは君の大切な人に。『誰にあげる?』と聞いたら『お母さん』とC。次女Lは『お父さん』だそうな。その3人が終わるか終わらないか位で少しずつ周囲の子供たちが集まってきました。

Cにルールを説明してもらい、1列に並んでもらう。フィリピンではなかなかそれが難しいけど何とか形になった。まぁ顔見知りが多いエリアなので危険な感じはしない。知り合いのオッサンが『大人にはないの?』って聞くから『子供だけですよ!』と応える。まぁ、そういうオッサンは他にもいたけどいちいちその位で目くじらを立てていたらフィリピンでは平和にやっていけない。

また並んでいる横で赤ん坊を抱えて横入りしてくるオバちゃんもいる。列が完全じゃない分だけちょっと微妙・・。日本なら後に並んで下さいと言っているがそこは周囲の反応をみながら『ある程度はなぁなぁになってしまうのは仕方ない』

 

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親指の爪には黒い印をつけさせてもらってたけど、途中から近所のおっちゃんがそれを手伝ってくれた。また1人・・・爪が少し黒くなった女の子がいて『あれっ!1回もらった?』と聞くと黙っている。少しインクのつき方が不自然なのともう片方の手をみたらそっちの爪にも黒いインクがついていたので『この子は別の遊びで黒く塗ったのかも??』って事で『不正じゃない』と判断した。こういう場合は『疑わしきは罰せず』にすべきだろう。

そうこうしている間に『どこに隠れていたんだろう??』って位にドンドンと子供が増えてきた。既にお菓子は半分以下になっている。その場にいた大人と話をして『ここからは1人2個』ってことにした。またある程度目処がたった段階でCを呼んで列の最後に立ってもらった。いちおうそこで終了って感じ。

なんとか予備のお菓子の半分を使って最後まで配り終えた。正直なことをいえばもう少しユックリと話がしたかったがドンドンと子供が増える中であんまりその余裕はなかった。写真はCとかに適当に取ってもらった。いちおう3回くらい『これは僕だけじゃなく日本人の友達NAOさんから』と言うことを伝えた。


だいたい『ありがとう』って言う子は半分くらいかな。親から『お礼をいいなさい』って言われていた子もいたけど全体としてそういう習慣はないみたい。それでも後で感謝の言葉はもらいましたよ。預かったNAOさんの分も無事に届けられました。

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終了してからの長居は無用です。もしずっと残っていたら後から集落に帰ってきた子供たちが『あれっ?なんでみんなお菓子たべてるの?』からの『HASEにもらった』→ 『私もちょうだい』となるのが目に見えています。まぁこういうのは運だと割りきらないと仕方ないです。


ビレッジに帰るゲートで顔にペイントをした集落の子供たちに会いました。いつも揚げバナナを売って親のお手伝いをしているような子供たちです。『HASE。中に入れてよ!』・・・『ゴメンね!』・・・僕は余ったお菓子を持っていたのだけど、その周囲には推定40人くらいの子供たちがいます。

残念だけどココではあげられない。その場を後にしました。毎年、警備員さんらは子供たちの侵入を阻止しています。警備する側も庶民の出だったりするので内心は複雑だろうと思う。もしココであげてしまうと『ゲートに行けば誰からお菓子をくれる』って事が噂になりもっと子供が集める。警備員にも申し訳ないし、住人だからといって安易に許可してしまうと、それも収集が付かなくなる恐れがあるので難しい。そんなことを思いました。

 

ビレッジの中では僕の元家庭教師の母親が小さい子供を2人連れていました。何かしらのコネがあるのでしょう。ビニール袋にはいっぱいのお菓子。たくましい。そういうのを持って集落に帰るから、やっぱりビレッジでは沢山のお菓子がもらえるらしい。という噂がたつのでしょうね。

とりえあず僕はビレッジ内の子供たちはいいです。あとは大家さんの子供達にあげたくらい。そんな感じでミッションは終了しました。また気がむいたら来年です。