KOYA(マニラで子供らと遊ぶ)

庶民エリアにコミュニティスペースを作ってみた。

なぜコンタミを疑っているのか?

セブのバランガイで53名の感染者が見つかった。
というニュースが流れてきた。

City Health: Sitio Zapatera contaminated - SUNSTAR

 

僕は検査ミス(コンタミ)を疑っている。


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【状況】200名をPCR検査して53名が陽性と出た。その2名は症状があり片方は入院(症状の詳細は不明)、もう片方は発熱があるようだ。残り51名は無症状らしい。

責任者はそのエリア一帯が汚染されていると判断して封鎖。感染者とされる人達は別の施設に隔離。とあった。

 

 

▼ 疑う理由1:無症状の比率が多すぎる。

新型コロナウイルスは無症状でも感染していることがある(不顕性感染) ただ53名中51名(96%)は多すぎる。なぜなら軽症者の方が多いとする報告を見てきたから。

例えばこの記事によると、無症状感染者は全体の15.5%から20.2%』だと推定していて、おまけに『95%信頼できる範囲』と言っている。

研究が明らかにした「新型コロナ感染者の17.9%は無症状」 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 

・・・だとすれば96%が無症状なのは不自然すぎる。


(Twitterで僕がコメントしたら『若いから大丈夫だったんじゃないの?』という意見をもらった。若くて症状が軽い・もしくは出ないことはよくあるが、大丈夫な人はそもそも感染しないし、感染した場合に症状が出ない人ばかりというのはやはり不自然)

 

▼ 疑う理由2:陽性率が高すぎる。

新型コロナウイルスのPCR検査は感度が低く特異度が高い検査だと知られている。感度は40〜70%と推定されていて、普通に検査した場合に100人が感染していても40〜70人しか陽性として出ず、残りの30〜60人は感染しているにも関わらず陰性と出る(偽陰性)・・・ウイルスの検出が難しい検査という意味。

では200人を検査して53人が陽性と出たってことは理屈の上では残りの147人の内に同じくらいの数の感染者がまだいるという計算になる。つまり検査したうち1/2は感染しているってこと。高過ぎると思う。

※ただし感度は推定値であり条件により異なる(例えばハッキリ症状がでている感染者が100%の母集団を検査しても偽陰性はほとんど出ないだろう)


▼ 疑う理由3:感染者が多すぎ。

理由2では200人中53人なら検査の特性上は100人は感染者がいると言ったが、仮に53人が正しいとしても検査した1/4が感染していたことになる(2の理由を入れると1/2)

新型コロナウイルスは主にマニラで感染が広がって、セブの感染者数はまだ多くない。症状があって感染が疑われる人は検査体制が整う以前からあるていどウォッチはされてきていると思う。

それでその特定のバランガイだけ人口の1/4が感染しているのは不自然 (これがまだNYだったら理解できる) もし感染が本当ならクラスターということになるが、既にマニラでは3月中旬からロックダウンが始まり、セブであってもそれなりにみんな気をつけていたろうと思う。

クラスターが発生するっていうのは集団で濃厚接触と呼ばれるようなイベントをするとかでもないと起こりにくい。まぁフィリピン人なのでそういうことがあったのかもしれないが、であればその200人以外にも大勢感染していて、そこら中で症状がある人がいないと説明がつかない。推定1000人程度(実際は何人か知らない)だとして、1/4〜1/2が感染していたとすれば、既に重症者が何人かいても不思議ではない。というかいないと不自然だ。それでいて重症者がいたら入院などしているだろう(そのエリアのデータを僕は持っていないが)

(ただしその200人がランダム抽出ではなく濃厚接触者として選ばれたのなら別だが)


▼ 疑う理由4:PCR検査はみんな未熟なはず

(これはオマケの理由) PCR検査は訓練が必要な検査とされる。喉もしくは鼻にスワブと呼ばれる綿棒を突っ込んで検体を取り出し、それを培養してRNAを発見するのだが、他国でも検体がうまく採取できなかったといった報告がある。また微量なウイルスを増幅させて検出するのでとても繊細な検査でもある。

論理が分かっていたら気づくミスも経験が浅いと気づかないこともあるだろう。

・・・・僕のような完全未経験の人が言うのも何だけど(笑)


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 『もしコンタミが疑われるなら』

・・・・コンタミの場合はどうなるか。どうすべきか・・の考察。



▼ 1:陽性の人のバラツキを聞いてみたい。

200名の検査をして順番的にランダムで陽性が出ていた場合はコンタミの可能性は低い(ただし特定のものが汚染していた場合は分からない) が、検査の前半は陰性ばかりで、後半になって陽性の人が続出した場合はコンタミの可能性が高い。経験が浅いとそういう不自然さに気が付かないことはありえる。

▼ 2:バランガイ内の症状を調査したい。

同じバランガイで1/4〜1/2が感染するほど汚染していた場合は、前述したように他にも症状が出ている人が続出しないと不自然。なのでエリアを封鎖した上で完全防備の検査官が聞き込み調査をして確認する必要があると思う。

▼ 3:隔離した51人を再検査。

コンタミに気が付かなくても、彼ら51人は無症状な訳だから陰性が確認できた段階で隔離施設から出す必要がある。もっともバランガイ全体が汚染されている前提なら戻るべきではないのだが・・。

いずれにしても再検査をして陰性を見極める必要がでてくる。彼らの中に症状が出る人がちょくちょくと出てきたら本当に陽性だったのかもしれないが、そうではなく無症状のままだったらコンタミである確率はあがる。またできれば再検査は翌日にした方がいい。翌日に別キットであらためて再検査をしてみんな陰性ならほぼコンタミ確定で、元のバランガイからランダムで再び検査してみて、本当にエリア全体が汚染されているのかを見たほうがいいと思う。


以上は素人による分析なので間違っているかもしれませんが、それなりに論理的だと思う。別にコンタミを疑ってみて再検査とかしても手間は1日だけ。もしコンタミが本当ならバランガイ内の大勢の住民に不自由をかけることになる。


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(追記: 4/17)

このエリアの住人は約9000名らしい。検査した200名はランダム抽出もしくは濃厚接触者だろうと思う。陽性の中に無症状が51名含まれれていることから、症状があって感染の疑いがある人を選んでないのは明白。

いまのフィリピンの状況で濃厚接触者が200名もいるとは考えにくい。マニラとセブでは少し違うかもしれないが、行動制限はそれなりにされているはずだから。

仮に住人の1/4が感染していたとすれば、約2200が感染者ということになる。確率的に重症者が20人以上でていないとオカシイ。早く疑惑が晴れるといいな・・。僕の見込み違いにしても、それがハッキリしてくれると嬉しい。

(追記: 4/21)

53名の陽性が出た翌日にも陽性は82名(検査数200)で合計135名。陽性率高すぎ。コンタミが事実なら同じ検査官が汚染された同じキットを使ってる可能性がある。

あと陽性とでた人から『検査官が手袋を交換せず検査をしていた』という証言が記事になっていた。これは僕のコンタミ説を裏付ける1つの状況証拠かもしれない。

Distrust spreads in community that has 70 percent of Cebu City’s COVID-19 cases | Inquirer News