(前回の続きという意味で2を付けたが、本当のタイトルは『検査はあるていど増やしてもいいのではないか?』です)
約1ヶ月ほど前になる。僕はクルーズ船での報道やらで検査の精度が高くないと知り、医師らがクルーズ船の検査を試算しているのを元に自分でも計算してみて以下の記事を書いた。
それから3日ほどして、試算の前提になる特異度90%に疑義が出たのでそれを撤回した。
その後、Newspicksで流れてきたデータとかを見て『偽陽性の心配はほとんどない』っていう思いを強くして、特異度99%以上と思っていうイメージを持っていた。それからしばらく放置していたが、あらためて海外で検査が評価されている点などを考え、この問題を再考することにした。
まず調べていて、朝日新聞の記事をみつけた。抜粋→『感度は30~70%程度、特異度は99%以上と推定されています』とある。おそらく専門家も当初は具体的なことはあまり言えなかったが実際に検査をしていくことで推定ができ公言しやすい段階になったのだろうと思う(あくまで僕の憶測)
新型コロナ検査、どれくらい正確? 感度と特異度の意味:朝日新聞デジタル
では、それを元にすると検査はどのていどしていいのだろうか??
例えば、感度70%、特異度90%で有病率5%だった場合には陽性適中率が約27%になる。これは陽性とでた人の約3/4は本当は罹患していない。つまり偽陽性となってしまうことを意味する。だからこの『特異度90%』が前提なら大量の偽陽性を生み出してしまうからドライブスルー検査はダメなんじゃないか?ってことだった。
だがこれが感度70%、特異度99%で有病率5%だった場合には陽性適中率は約79%まで上がる。さらに特異度99.9%なら、陽性適中率は約97%まで上がる。おそらくは79~97%の間くらいなのだろう。国によっては2回の検査を基本にしているところがあるみたいで、おそらくそれで精度が上がるはず・・。
そう考えると僕は『それなりの検査が多くても今は良いんじゃないか?』って考え方にかわってきている。
日本が当初検査をあまりしなかったのには複数の理由があると思う。
1:検査体制が整っていなかった。検査リソースを武漢からの帰国者などに割くため。
2:検査の精度がまだあまり分かっていなかったから。偽陰性の問題もあり、罹患している人を安心させ野放しにしてしまうといった心配など。また日本は陽性が出た場合は特定感染症の法律において入院させなければいけないってこともあったから。感染者で症状の軽い人は自宅療養させるという方針自体は僕は支持しているが、あの法律がネックになったのだと僕は考えている。
今はどうだろう。1の検査体制はそれなりに充実してきてはいる。当初は医師が『この肺炎は何かおかしいぞ!』って思っても検査がしてもえなかったが、今はだいぶしてもらえるようになってきたようで、また新コロの肺炎の特徴もかなりわかってきたみたい。
2はどうだろう。上で書いたように特異度が高いことがわかればそれなりに検査はしてもいいと思う。また『陽性は即入院なんて法律は・・・法律の方が悪いので改正すべき』だと思う。
そんな訳で僕は上医師を再評価している。その部分においては。ただし彼の言うことは変なことも多い。まず陽性適中率を間違っていたり、陰謀論みたいなことを口にしたり、、推測は自由だがジャーナリストなら裏を取らないと報道してはいけないレベルなことだと思ったので、僕は『信ぴょう性に欠ける』と判断していた。また感染症の専門医もほとんど『日本はスクリーニングした上で検査すべき』って意見だったろうと思う。
最近は感染症専門医の発言にも少し変化がでてきているように思う。具体的な発言は忘れたから書かないが、上に書いたようなことが精度がわかってきたからかもしれない(あくまで憶測)
逆にまだ特異度90%って言っている医師もいるから、またそれはそれで少し遅いのかなって気がする。