KOYA(マニラで子供らと遊ぶ)

庶民エリアにコミュニティスペースを作ってみた。

中国全土から入国禁止にすべきだったのか。

新型コロナウイルス(COVID-19) について
2月22日現在。日本では約119名の感染が確認されている。

そして日本は中国武漢市のある湖北省および浙江省からの入国を禁止している (これは韓国とほぼ同じ) それに対して『中国全土からの入国を禁止にすべきだ』という意見が国内外からあがっている。それは安倍政権に批判的な人達だけなく安倍政権に好意的だった人達の中からもあがっている。

 

はたして『中国全土から入国禁止』にすべきだったのだろうか?


この考察が今回のテーマ。

まず諸外国の対応をみてみたい(中国からの入国禁止で主なもの)、まず北朝鮮(1/22)、その後でフィリピン(1/28) 僕は同国在住なのでよく知っているが武漢からの入国を禁止した上で送り返した。あとアメリカやシンガポール・インドネシアなど多くは2/2前後となる。

なので、日本も入国禁止にしていたら?という仮定は2月2日を基準にしてみたい。


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僕が注目しているのは、その時点でどの程度の感染が日本国内で広がっていたか?およびその後に中国からどの程度の感染者が入ってきて感染拡大に寄与したのか?

 

国内感染者を見てみると主に5つに分類できると思う。
A:チャーター便で帰国した人達。B:クルーズ船で停泊している乗客達。
C:武漢とかから来て発症した人達。 D:それを経由して国内で感染した人達。

E:感染経路がわからない感染者。

当初Aチャーター便の人が増え、その後はBクルーズ船内での感染が広がった。これら2つは数的には大きいのだが、実際に国内での感染拡大には直接影響が少ないと考えられる。本人達は行動がトレースされ『感染しているかも?』という自覚があるので症状が出た段階で検査されるだろうし隔離されるだろう。

問題なのはC・D・E。後にいくほど市内感染となり国内での感染拡大が深刻度を増す。


2/22現在では既にEが日本各地で見つかっているが、2/2の段階ではどうだったのだろうか?市内感染の前段階であるDに注目したい。


▼バス運転手およびバスガイドの感染

武漢市からのツアーに乗務した彼らが感染した。それは1月の中旬から下旬。僕は運転手の方は自動車通勤だというので比較的感染拡大リスクは低いかと思ったがバスガイドの方には注目していた。彼女は1/20に東京で受診、1/22にも大阪で受診している。その間は地下鉄や新幹線を利用している。ちなみに運転手は国内6例目で、バスガイドは8例目になり、他は武漢市在住とか武漢に行った人達になる。

加えて13例目の女性も中国人の多いバスツアーで感染したと見られる日本人。

これら3例はいずれもアメリカなどが中国から渡航を禁止する前から国内で感染した人達であり、さらに感染を広げてしまった可能性のある人達である(僕は彼らを責めるつもりは微塵もない。むしろ初期段階で感染してしまった人は運の悪い人達で非難されるべきではないと考える)

 

次に気になる例がある。

▼日本旅行したタイ人が感染

日本の感染者数にはカウントされていないが、1月下旬に日本旅行をしたタイ人夫婦が新型コロナウイルスに感染したというニュースが流れた。日本での報道は少なかったが、これは市内感染の可能性を示唆する重要な情報だとみて僕は注目していた。


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ちなみに中国では団体での海外旅行を禁止している(1/27)

感染症の専門家の間では『水際作戦の効果が乏しい』ことが常識らしい。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200220-00022051-mimollet-life&p=2

おそらくは初期段階で一定の効果。感染拡大の『初速を遅らせる』という意味はあるとは思うが、国内での感染拡大を防ぐのは2/2の段階では既に不可能だったのだろうと思う。またこのコロナウイルスが季節性のものである可能性を考えると遅らせること自体にもある程度は意味があるとは思う。


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ここで1つ気になることがあるのだが、それは日本が感染危険国だと思われた原因について。Twitterなどを見ていると日本が中国全土からの入国を禁止しないからそう見られたのだという意見が多いように思うが、僕はそれもないとは思わないがイメージの大半はクルーズ船での感染拡大によるものだと思う。

なんせ2/22時点で日本での感染者数は119名※にはなったが、チャーター便を含めると753名。2/12の時点では合計が200名でチャータ便を除くと26名しか確認されていなかった。日本が中国全土を入国禁止にしていないこととクルーズ船。僕は後者の方がずっとインパクトが大きいと思う。

※そのうち5名は中国からの入国を禁止したアメリカ(ハワイ)から帰国した日本人だったりする。


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次に中国全土からの入国を禁止にしていない日本と韓国のみ感染が広がった。という説について反証してみようと思う。

例えばこういった論調
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/02/21/2020022180093.html

記事では中国からの全面入国禁止をしなかった日韓だけ感染が拡大していると言っている。だが例外としてシンガポールで感染拡大していることを認めている。でもその例外の意味することは大きいと思う。ちなみにフィリピンや台湾の感染やアメリカが広がっていないという。

僕は本題は『暑い国』ということが大きく影響していると見ている。それは後で言うとして、まずはアメリカから反証したいと思う。前述したようにハワイを旅行した日本人が5名感染している。またアメリカはインフルエンザの流行に注力しているがその中に新型コロナウイルスの例も入っているのではないかということで検査をすることになった。2/21 つまり実のところアメリカの感染者数はあてにならない。
https://www.youtube.com/watch?v=06s50iPDwhE


次にインドネシアの例が気になる。いくら入国禁止にしたとはいえ同国の感染者数はゼロとされている。フィリピンでも3例。これは途上国なので検査がされていないということもあろうかと思うが、暑い帰国が感染拡大を妨げているという可能性も高いと見ている。

その根拠になっているのは根路銘先生という専門家の意見。彼はSARSやMERSの時に現場で対応にあたった専門家です。

コロナウイルス感染拡大は「3月までに終結」と大御所が断言する理由(山根 一眞) | ブルーバックス | 講談社(1/4)


この記事で僕がポイントだと思ったのは『ウイルスには換気が大切』って部分と『コロナウイルスは気温が上がると生きていない』ということです。コロナウイルスは元々から風邪の原因となるウイルスの1つで、SARSもMARSも同じコロナウイルスの仲間。新型とはいえその特徴は同じように持っていると考えるのは自然なこと。

彼の意見はそれなりの信憑性があると僕は見ていますが、彼の意見が正しいとすれば、日本なら冬が終われば終息する。元から暑い国はそもそも感染が広がりにくいということになる。フィリピンもインドネシアも常夏なので・・。

ただここでもシンガポールが例外となる。暑い国なのに感染が広がっている。僕の仮説はこうだ。同国は発展していて空港も含め多くの場所で冷房が効いているからなのでは??と。ただしシンガポールの感染例について僕は詳しくない。他国からきて発症した例が多いのか、国内で感染が広がって例が多いのか。

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ちなみに2/22現在で韓国433、日本119、シンガポール85。それを見て、日本はシンガポールより危険な国だと言う人は少なくないが、そのよくある意見にも反論したい。日本はシンガポールより何倍もデカイ!つまり人口560万人ほどの国で85名なのと、人口12000万人の日本での119名だと、どちらが感染者数の率が多いのは分かってもらえると思う。

また同じような感じで『日本は上海より酷い』みたいな比較をする人も上海の人口や面積を考えて発言してもらいたいと思う。


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脱線したが、僕のいちおうの結論としては、以下のとおり。

中国全土からの入国禁止をしていれば日本での感染拡大が少し遅れた可能性は十分にあるが、感染拡大を水際で防ぐの不可能で、日本が危険視されているのはそれよりむしろクルーズ船での感染拡大(日本の対応のまずさ)およびその感染者数が影響している。加えて東南アジアで感染拡大していないのは入国禁止の影響より帰国が幸いした可能性が高い。

あくまで素人の仮説ですが、それなりに専門家の意見を取り入れ分析したつもり。