KOYA(マニラで子供らと遊ぶ)

庶民エリアにコミュニティスペースを作ってみた。

荷物と赤ん坊を抱えた母親の話。

Alabangに行った帰りのジプニーでの話。

そこには若い女性が赤ん坊を抱えていた。ドライバーのすぐ後ろの席でポーチとは別にカバンが3個。見た感じでは重さは3kg, 5kg, 15kgくらい。乗客の配置からいってはずこの女性の荷物だろう。

 

田舎からマニラに出てきたのだろうこの女性を見ながら『1人で長時間移動だけでも大変なのに赤ん坊とこの荷物で大変そう』と思った。


僕は市場でたいした収穫もなく歩き疲れていたので目を閉じて休憩モードに入っていたがその女性が座席の向かい側に座っていたこともあり電話での会話が聞こえてきた。ドライバーとのやりとりも聞いている感じでは、どうやら乗るジプニーを間違えたらしい。

この路線は高速道路&線路を挟んで左右に2つある。どちらもAlabangからSucat・Bicutanを経由してPasayまでいく。ただ別の路線を選んでしまうと目的の場所を通らず遠回りすることになる。

女性の目的地は左の路線沿いらしく、僕らが乗っている右の路線だとBicutanで降り、左の路線まで約400mを歩くことになる。


僕は女性の隣に座っていたカップルとか他の誰かがBicutanで手伝ってあげることを期待しつつ、もし助けがなさそうなら途中下車して荷物を運んであげようかと考えはじめた。


僕には子育ての経験はないがそれでも小さな子供との旅が大変なことは想像に固い。幸いにも赤ん坊はおとなしくしているが泣いたりぐずったり、やれミルクだオムツ交換だと考えると荷物がなくても大変だろう。また大きな荷物はキャリーバッグでもないし重さでヒモが切れることも十分にありえる。

そうしているうちにカップルの男の方が赤ん坊と目があい興味を持ち始めた。それまでカップルでじゃれあっていたが赤ん坊が加わり微笑ましい顔を浮かべている。フィリピンは子供が多いことが多産を誘発しているらしい。


ジプニーはいつもの渋滞に巻き込まれつつもBicutanに到着する。女性も抱っこ紐を準備しはじめる。が、ジプニーが止まるとさきほどのカップルはさっさと降りて行ってしまった。『おい!見えているのは赤ん坊だけか!??』と少し驚きつつ、荷降ろしを手伝い僕も降りた。


ジプニーの中ではいろいろ考えていた。『ハロウィンの残りのお菓子をあげてもこの子は食べられないだろうなぁ』とか『少しとはいえ荷物が増やしてしまうことを申し訳なく思うほどの荷物の量だなぁ』とか。あとタクシーを拾って乗せてあげるなんてことも考えていたが、あまりやりすぎるとどうかなって思ったので単に荷物をもってあげることに。僕はカバン3つを持つつもりでいたが思いの他重い・・。流れで大1つと中1つを持ったがあとの中1つは女性が持ったが、それも持ちますとはとても言えなかった。

女性の荷物を持ち歩いている間はほぼ無言だったのだが、それでも少し話をした。どうやら女性は田舎から6時間かけてマニラに来たらしい。『どうして付き添いが誰もいないのか?』とか『どうしてお迎えもいないのか』とかは気になったが聞くこともなかった。

歩いている途中で4度ほど左右の荷物を持ち替えながらジプニー乗り場に到着し、荷物と女性らがジプニーに乗り込んだのを見届けてその場を後にした。