KOYA(マニラで子供らと遊ぶ)

庶民エリアにコミュニティスペースを作ってみた。

(フィリピン考察3) LTOの非効率さは異常

2015年にスクーターを買った。平日はほぼ自宅にいる僕としては少し離れたスーパーに行くとか用途は限られているのだが気に入ったバイク Honda Zoomer X が欲しくなって珍しく大きな買い物をした。購入の時や免許取得時の問題もあったのだが過去の事はいま書く気分になれないので今回は『車検の更新が面倒だった』って話をしたい。


■1回目:更新日がいつか分からない。

まず車検の更新は年1回と聞いていたので車検証の取得日から計算してLTOに訪れた。家から10分の所にLTOの支局があるので助かった。そう思いながらLTOを訪れると、車検証をコピーしろと言われて外でコピーをしてもらう[(心の声)そのくらいその場でして!]そして再び受付にもどり、言われた窓口に行くと20代後半くらいの男性職員が少しふんぞり返りながら無言で書類を眺め『8月に来て下さい』と言った。

なぜ8月なのか?と聞くとどうやらナンバープレートの番号末尾が9の場合は9月が更新期限なので8月なのだそうだ。車検等の書類には『更新期限は書かれていない』・・・日本のように郵送で案内しろとまでは言わないが『せめて期限は書いてくれ!』


■2回目:初回の車検は別の書類が必要になる。

8月も中旬になった。メトロマニラ内とはいえ郊外にあるLTOにもかかわらずいくたびにP20の駐輪料がとられるのが地味に悔しい[(心の声) そんなもの無料にしてくれ!] そして今回書類をみせると、職員はこういった『Vertificationが必要だからココへ行ってくれ!』・・そして渡された小さな紙切れには『ケソン市にあるLTOの住所』・・・[(心の声)それなら前回に言ってくれ!]・・・後で知ることになるのだが新車の場合は最初に証明書が必要になるらしい。

■3回目:はるばる片道2時間以上かけて指定されたLTOへ行く。

その翌週、ケソンのLTOに行くことにした。その証明は車検更新に必要な書類というだけで車検は改めてする必要がある。のんびりしてはいられない。僕はケソンでLTOというと本局だとばかり思っていた。これは僕のミスなのだが、間違って本局にいった。渋滞をみこして早朝5時に置きてLTOに着いたのが6時半。周辺で声をかけてくる怪しい人達をかるくかわしつつ警備員さんに聞くと同じLTOでも別の場所らしい。

スマフォで検索するが、同じ通りの名前が点在していてわかりにくい。人に聞いたりしてやっと見つけたLTOは同じケソンでも約4駅分離れていて辺鄙な所にある。ジプニーを3乗り継ぎで大渋滞の中を少しイライラしつつ何とかたどり着いた。GPSがあるのがせめてもの救い。

僕は渋滞に巻き込まれる位なら早めに行って朝食を食べつつ勉強でもしていようと思ってはいたが、結局はLTOが開く午前8時、その15分前に到着した。そこには同じ目的で先に待っている人が6名ほど。そして時間になりかかった時間は10分くらい。ただコピーを渡し免許を見せてサインする位のもの。

『早く終わって良かった』という安堵の気持ちと同時に『僕はこの1枚の書類をもらう為にこんな所まで来なければならなかったんだなぁ・・・』と悲しくなった。

そもそもナンバープレートを発行する段階で免許書のコピーを出すなどすればこのプロセスは必要ないはずだ。


■4日目・・・・やっと車検が更新できるが面倒すぎ。

ここからが車検の本番。後日小雨がやんだ午後1時すぎに近くのLTOを再び訪れた。まず【1】受付に行って、【2】窓口にいって『排ガスチェック』に行くように言われる。というより書類によくわからない番号を書かれただけで、どこに行けとも言われない。聞かなければ分からない。本当に不親切だ。【4】排ガスチェック場の会計。【5】排ガスチェック:スタッフがやたらフレンドリー。国籍やら彼女やら聞かれるのはよくあるパターン。【6】保険の申請と支払い【7】保険書類の受取り【8】再び受付け【9】スタッフが1人ついてきてバイクの車体番号を2ヶ所メモ(というか鉛筆で擦って浮き出させるスタイル)・・・ここでは書類をその人が書いてくれた。【10】そのスタッフと別の窓口へ。【11】車検更新の料金支払【12】ナンバープレートに貼るシールとレシートの受領:その際にまた名前と住所とサインを書かされる。【13】そのシールを貼って終了。

いやぁー実に面倒くさい。まだここの支局は混んでなかったからまだ1時間ちょっとで済んだが、やっていることが複雑すぎて『こいつらサルじゃないか!??』って差別感情が芽生えてしまう。LTOを訪れる度に思う。


■もし改善するなら(A案)

まず駐車場代は無料にして、その場で【1】職員にバイクとカギをあずけ『預り証をもらう』職員は排ガスチェックと車体ナンバーをメモして事務所の職員に渡す。【2】受付で書類を記入し提出。【3】会計(車検・保険・排ガスチェックをまとめて)たとえばP1000ペソとか。できればその時にはシールと証明書を受け取って終了。

ざっとプロセスを簡略化したらこんな位でいいと思う。

それとフィリピンは事故した時に病院に運ばれてもデポジットがないと手術をしてくれないと聞く。それなら車やバイクは強制保険なのだから、病院への最初のデポジットは政府が保険から直接払えばいいと思う。それと保険を車体でなく免許証にひも付けするというのも1つの案だろう。


■もし改善するなら(B案)

排ガスチェックは年中いつでも出来るようにする。1回50ペソで十分。それは1年間有効。暇なときにどこでしてもいい。保険は車検料をセットにしてコンビニで支払い可能。その2つを持ってLTOに行けばスグに処理してくれる。忙しい人は郵送でも可。名前や住所や誕生日などは『変更があった時のみ記入』それ以外は不要とする。

あとは車検と運転免許の更新がバラだと面倒なので、それらの更新日は合わせる。誕生日を基準にするとか。そうすればついでに2つの処理が終わる。


■感想・・・ただただ面倒。職員はその複雑なプロセスに何の疑問も持たず『ただ言われたことをするだけ』・・・トップが優秀なら職員の数も1/10で済むだろうし、多くのドライバーが膨大な時間を無駄にする必要もない。オフィスには『フィクサー禁止!』みたいな張り紙があったが、そもそもプロセスが簡単でスグ終わるならフィクサーの入り込むスキはない。ぜひ大統領には改革に取り組んでもらいたい。そしてLTOの重役も一般人と同じ順序で手続きするようにして欲しい。いかに面倒か分かるから。

・・・・LTOそれは悲劇のシステムだと思う。