KOYA(マニラで子供らと遊ぶ)

庶民エリアにコミュニティスペースを作ってみた。

検査を絞ってる!??

僕は専門家チームの試算の前提R=2.5に疑問を持っているが、かといって池田信夫さんらが断言している『自粛は必要がない』っていうのにも賛成はしていない。わからないから。いろんな不確定な情報を中でいかに選び繋げていくか・・そんな気分。

【もくじ】

▼東京の感染者数はピークアウトしたのかも??

 だが検査を絞っているって情報が・・・

▼保健所が検査を絞っていう疑問と根拠。

▼海外流入に注目してた(週報をまってた)
▼新規の重篤者数(という指標)

【おまけ(情報)】

▼PCR検査や抗体検査の解説動画
▼(日本では知られていない)抗体療法(リンク)

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▼東京の感染者数はピークアウトしたのかも??

 

東京の新規感染者数は4/11の+197でピークアウトしたかの印象がある。これは4/7の非常事態宣言の効果前ではあるが3/25に出された小池都知事の自粛要請の効果が出てきたものだと思う。このまま落ち着いてくれれば自粛を緩めることができる・・・と思っていたが僕は少し考え方を変えた。あとで理由を言っていく。

f:id:hase29:20200416143755p:plain

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/



だが僕は検査数の少なさ陽性率の高さがずっと引っかかっていた。『検査を絞っているのではないか??』という疑った。

 

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▼保健所が検査を絞っていう疑問と根拠。

『保健所』で検索したらこんな記事を見つけた。

保健所長「病院あふれるのが嫌」 さいたま市の検査数少ない理由 | 共同通信


保健所が病院があふれるのを避けるために検査を絞ってきたという記事。以前から『指定感染症で陽性なら入院』って法律があるために、病床が軽症者に使われてしまっているという問題は多くから指摘されてきた。

各県の病床もかなりいっぱいになってきているので、検査を絞るって傾向はさいたまの保健所だけではないのだろうと推測している。

COVID-19 Japan - 新型コロナウイルス対策ダッシュボード #StopCOVID19JP


これを見ると赤や黒の表示がかなり増えていることが分かる。こういうエリアでは検査を絞りたいという動機が考えられる。これは保健所が悪いのではない。軽症者各利用の病院もしくは施設を準備しない政府。そして法律を改正しない政府が悪いと思う。

保健所の所長はむしろ医療を守りたいと思った被害者のように見える。

これによって僕は新規感染者数があまり増えていないことに対して『自粛を緩和すべき』ってほどの確証は持てなくなっている。前提が違えば結果もかわるからだ。もちろん自粛自体の効果はそれなりに現れてきていると思う。

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▼海外流入に注目してた(週報をまってた)


次にそれとは別に僕が注目していることがある。それは海外から帰国した人の影響。なぜなら東京でいくら自粛をしても、海外で感染して帰国した人の数が多ければ正しく分析できないと考えているから。

漠然としたイメージでは感染源不明の感染者が100だとしたら、院内感染は50、帰国した感染者30くらいの影響度だと思っている。入院患者が街に出歩くこともないだろうし、医療従事者は一般より感染を拡大しないために注意してるだろうし、帰国した人は自分が感染していないか怯えて慎重になっているだろうし、そもそも国内での感染ではないからだ。

ただ東京都のサイトでは感染者の内訳は公表していない。


それで以前に見つめた東京都感染症情報センターの週報を待っていた。

http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/weekly/


この団体およびサイトの特徴は感染症全般についての情報を集めている点。新型コロナウイルスに特化したニワカのサイトではない。その分だけ新コロに関係ない情報がほとんどなのだが、週あたりの感染者数に加え、柱脚としてどういった人が感染したのか参考になる情報がある。

前回の第14週では641件の内で国内要因が497件。他は不明か海外ということになる。国内率が約77%。更に第13週では国内率が約68%になる。これは最大という意味なので注意が必要だが分析する上では無視してはいけないと思う。

さて今回の第15週は1160件(着実に感染者は増えている)。国内要因は896件(最大77%)・・前回と傾向はあまり変わっていない。が、1つ気になる記述を見つけた。

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・・・『患者および死亡後診断 1085件』

前回の週報にはこのような記述はなかった。これは死んだ後に検査したら新型コロナウイルスの感染者だったということだと思う。もちろん可能性としては容態が急激に悪化し検査結果が出る前に死んでしまったという(速攻で死んでしまった)ということも考えられるが、検査を絞った(=検査をしなかった)ことによる影響という可能性の方が高いのでは??って気がする。


▼新規の重篤者数(という指標)

よく感染者数ではなく死亡者数(人口比)で国際比較する方がいいと言われている。感染者数は検査体制などの影響を受けるし、死者の方が比較しやすいからだ。ただし感染者がどれくらい広がっているかを見る場合は、各国の医療制度(人工呼吸器が使えるか)とか医療崩壊してるかの違いもあるので、比較できるものなら国際基準を決めて、重篤者数で比較できるのがベストだと思ってた。ただし現実的にはそれを公表している国は多くないし基準がバラバラなので難しい。


それとは別に僕は感染症の専門家を中心にいろんな人をフォローしているのだが、池田信夫さんもフォローしている。彼のツイートに対してこんなツイートを見つけた。

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これは池田さんが『新規重症者数が重要だ』と発言したことに対しての反論ツイート。僕は専門家の意見は重視するが、それは僕の分からない部分についての知見に関してであって、僕は論理的な正しさをもっと重視する。

『新規の重症者』といってもsuzukiさんの解釈ではそれは死亡者や重症を脱した人を除いだ純増を指しているということ。これはこの数値を出す人がどちらを基準にするかによって違うのだが、この場合はsuzukiさんの指摘の方が正しいと思う。

なぜなら、ところどころマイナスがあるから。

f:id:hase29:20200416152440p:plain



また彼のメモしている重症者のデータでは池田さんのいうような楽観できる状況にはないようだ。

僕は彼のデータを検証した訳ではないが論理は正しいと思うし、前述のように検査数はあまりあてにならないから、考えを『少し楽観』→『様子見(いちおう警戒はつづけよう)』に変えた。

まだホントに分からないことだらけ。ただ専門家も含め分からないことが多い中で情報を互いに精査し、より良い方法を見つけていければと思う。あと僕はまったくの素人なのでそのつもり情報は読んで下さい。

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【おまけ(情報)】・・役立ったのでシェア。

▼PCR検査や抗体検査の解説動画
 いかに検査が難しいか新コロが厄介かなんかがよく分かります。


検査の説明、免疫応答、新規治療法の提案など(試験配信です)



▼(日本では知られていない)抗体療法(リンク)

上の宮沢さんの動画でも少し触れられていますが、ワクチンとは違って抗体療法っていうのがあって、実はフィリピンのドゥテルテ大統領がその情報を中国から得たらしく演説で触れていたので、僕も調べてみた。

簡単に言うとワクチンは弱ったウイルスとかを体内に入れて抗体を作らせるものなのに対して、抗体療法は抗体自体を選んで培養して体内に入れるような感じらしい。血清療法が抗体ができた人の血液を使うので大量にはできないが抗体療法はそれが出来るものと期待しているが、いろいろ課題もある。英語が苦手な人はDeepLを使って翻訳してみるのがオススメ。

www.cbsnews.com

基本再生算数をどう見る2

ここ2日間くらい基本再生産数R(0)とか実効再生産数R(t)について考えている。

前回は同じウイルスでも環境や習慣によって異なるだろうって事と、新規感染者数から推計するのも割に難しいだろうって話をした。

manisen.hatenablog.com



今回はもう少し、気がついたことがあったので考察してみたい。

それは『1:R(0)はステージによって変わる』という話。と
『2:Rに時間軸の概念を入れたらどうなるのだろう??』という話をしたい。


たまに確認のために言っているが僕は数理のプロでもないし、感染症のプロでもない。単なるニワカの好奇心で考察している。なので鵜呑みにしないようにして下さい。

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◆1:基本再生数はステージによって変わる(はず)

基本再生産数R(0)とはウイルスが1人から何人に感染させるかの指標で、ロックダウンとか自粛した上でどうなったかは実効再生算数R(t)というのだが、Rが1以上なら感染者は増加し、Rが1以下ならだんだんと収束していく。ってことになっている。

でも、いろんな資料を見ているとR(t)は増えたり減ったりしている。何の対策もしない状態ならR(0)=R(t) となり増え方も単純な二次関数で表されるはずだがおそらくはそうはならない。

 

どうして、そう思うか? 人口が100人いる村をイメージしてもらって、R=2つまり1人が2人ずつに感染させていくとして、最初は1人が2人、2人が4人って増えていくが、実際には接する人が既に感染しているケースがだんだんと増えていくから増加しスピードが遅くなる。

そう考えていくと、これが集団免疫の考え方なんだと思い出し、勝手に納得している自分がいる。その結果とR(0)が変化するのか、もしくはR(0)は一定として、その変化した結果をR(t)というのかは定義の問題なのはあまり良くわかっていない。


◆2:Rに時間軸の概念を入れたらどうなるのだろう??

1人が3人に感染させるとして(R=3) 感染させる速度は違うだろう。例えばエボラの場合はスグに重篤化してしまい死ぬことが多いので、感染させる期間が短いはず・・。それに引き換えて新型コロナウイルスは潜伏期間が3日〜2週間と長く、しかもインフルよりも長引くと思われているので、感染させる期間は長いだろうと思う。

なのでウイルス2種類あって両方ともR=3だとしても、1ヶ月後にどう増えているかは違うことがあるのだろうと思う。

そんなことを漠然と考えていて、夕方にフィリピン大学(以下UP)の分析をみて、T(2)という概念があることを知る。これは何日で感染者が2倍になるかの指標。これは時間軸の概念のないRの弱点を補うものなのだと思った。

www.up.edu.ph

上の分析を翻訳サイトの力を借りつつ検証していたのだけど、どうして研究者っていうのは新規の感染者数をここまで重視するのだろう??

以前にも書いたけど、今回の新型コロナウイルスの感染者数はあくまで認知数であり実態を想像する力が必要になってくる、国の方針によって違うので単純な比較はできないし、検査体制がだんだんと拡充されていくので、データとしての連続性も不確か。

この大学 UPの分析ではT(2)は約6日間としているが、フィリピンでは4/5以降に検査体制が大幅に拡充されている。以前は陽性率約7割と高く重症患者など限られた人にしか検査をしてくれていなかったと思われる。それに対して4/12では検査数が大幅に増え陽性率も他の国と同水準までに下がってる。そこから導かれる結論は『最初の感染者数は低めに出ている』ってことで、僕はT(2)は6日間よりもう少し長い8日間くらいだと推測している。

学校や研究機関は『多くが納得しやすい分析』をしたがる動機があると思う。推計のあちらこちらに『たぶん、実際はもう少し多い』とか『おそらく割ほど低くでてる』って曖昧な言葉を入れるほどに、読んでいて『凄い分析だ』とはならなくなる。ただし、新コロに関しては不確実なことが多く、変化が大きく、計算でそれは補えるものではない。計算力より想像力や推定力みたいなものが大事なのだろうと僕は思っている。


僕はたまに使う表現なのだが『AIであろうがスパコンであろうが、入れる計算式やデータに誤りがあれば正しい答えは出てこない』・・・おそらくデータサイエンティスとしての優秀さはそこで決まるのだろうと思う。企業の決算のように数字として固い場合はそういった能力は必要ないだろうが・・。


基本再生産数をどうみる!?

新型コロナウイルスが話題になってから僕はニワカのウォッチャーになっています。今回は『基本再生産数R(0)』などのデータについて考察してみたいと思う。あくまで素人の考察なので「査読を受けていない論文以下」というくらい軽く読んで下さい。またプロがみて間違いがあれば優しく指摘して下さい。

イメージだけ先に言うと『推論の積み上げ』ですね。

前半は『国や地域によって基本再生産数はかわるだろう』って話。
後半は『感染者数からも推論で割り出しているのだろう』って話。

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まず基本再生産数・・・今後は面倒なのでRと言います。Rはウイルスなどが『1人から何人に感染するか?』という指標で、麻疹のように感染力の強いものもあればそうでないものもある。単純に感染しやすいかが重要なのではなく、感染しやすくても凶悪なウイルスは致死率が高いだけでなく早く重篤化する傾向があるので結果的にRは高くならない。大勢に移す前に死んでしまう感じ。

新型コロナウイルスの場合はインフルエンザと比べ、潜伏期間が長く、症状も長引く傾向があるらしく、さらに無症状で感染するなどRを大きくする要素となっているようだ。ただし平均的に感染を広げる感じではなく8割はほとんど感染させることなく、残りの2割が多くに感染させるという特徴があるという報告もある。


一般的にRはウイルスによって数字が決まっていると思っている人もいると思うが、僕はあくまで推論を積み上げた上での平均値としてであり、地域によって違うと思う。


◆例1: 都会と田舎。

都会の方が人口密度が高い。満員電車で通勤する場合と田舎で自家用車で通勤する場合では感染するリスクはかわってくるだろう。

なので基本的には 【都会のR >  田舎のR】となると思う。


◆例2:公衆衛生やキスやハグなどの習慣。

感染症では飛沫感染以外にも接触感染などがある。主にウイルスをさわった手で目をこすったり鼻をほじったり、口をさわったりと粘膜のあるところで感染する。手からウイルスが入ることは風邪の原因になるようなウイルスではあまりないようだ。

なので、手洗いの習慣のある国とない国では違うはず。またレストランなどでテーブルをシッカリと拭く店と、拭かない店では違う。日本では拭くのが当たり前だが国によっては違う。

加えて欧米などはキスやハグの習慣がある。握手なんかも多い。日本は握手をすることもあるがほとんどは会釈のみで終わることが多いと思う。

なので、【不衛生な国の R > キレイ好きな国の R】だろう
また【スキンシップの多い国のR > スキンシップの少ない国のR】だろうとも思う。

◆その他

それ以外にもBCGの接種によってウイルスに強くなっている説もあるし、風邪の流行するような温帯では旧型コロナウイルスに感染して抗体がある人も多いかもしれないので、新型に100%ではなくとも20%くらい強い・・・という可能性はありえる。また気候の影響も無視できないと思う(風邪が冬に流行するなど)。いろんな要因があって、基本再生産数Rは推論の積み上げで成り立っていると思う。


ここまでが前半。後半は『実際の感染者からRを割り出す時の難しさ』・・これも推論の積み上げだって話をしたい。

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新型コロナウイルスは武漢発と言われていて、そこから中国全土、そしてアジア、中東やヨーロッパ、アメリカ、南米、アフリカなど全世界に広がっていった(パンデミック)

 

各国では連日、感染者数や死者数、回復者数などを発表している。

一般のイメージはそれらをグラフにすればRを割り出したり、その先が簡単に予測できると思いがちだが、実際には結構ややこしい。


◆1:感染者数などのデータはあくまで認知数でしかない。

感染しているか知る為には検査をする必要がある。検査で陽性と判定されてはじめて感染者となるのが一般的(※1) その陽性とでた数の裏に実際にどれだけの感染者がいるかは推定するしかない。国によって検査状況は違う。積極的に検査したのは韓国。ドライブスルーなども活用して検査数を増やした(※2)。日本は重症者をケアすることを重視して検査はしぼってきた。なので認知件数としては少なく出ていただろうし、実数を把握するのが難しい国の1つ。

もっと難しいのが途上国で『PCR検査ができない』などの理由で限られたケースのみ検体を採取し海外(※3)に依頼するなどしていた。その後で検査キットを入手するなどして徐々に検査体制が整ってきてる感じ。

また検査数が多ければ実態が把握できるかというと、それも簡単にはいえない。ニューヨーク(NY)のようにオーバーシュート(爆発的感染)をしてしまったところは、検査をいくら増やしても、感染者数の増加に追いつかないって事態がおこると考えられる。

数字上の感染者数は(いくら実際の感染者数が増えたとしても)検査数を越えることがない。

また厄介なことに、同じ国でも徐々に検査体制が整うなどするので、感染者数の推移を見る上での連続性がない。


◆2:死亡数の推移について。

検査の少ない国でも、比較的固い数字が死亡数だろうと思う。死んだかどうか確認するのは普通は簡単にできる。ただし武漢のように厳格に封鎖してしまった場合には家で死んでいても放置せざるをえないなどが考えられ、数値にタイムラグがでたりするだろうし、肺炎で医者が新コロを疑ってもなかなかPCR検査がされないってことが日本であった(最初、今はちゃんと検査されているはず) そういった場合は新コロでの死者なのにカウントされない可能性はある。

死亡数(人口当たり)は感染拡大がどのていどしているのかの目安にはなるだろう。

ただし、これも難しい要素があって、1つはイタリアや武漢のように医療崩壊を起こしているケース。死亡率が増える。また途上国では通常の医療設備が整っていないということで死亡率はあがるだろうと考えるが自然。

新コロについては、まだ治療法がない。基本的には自然治癒力に任せることになり、重篤化した場合に人工呼吸器やECMO(※4)を使える場合は死なずに済むかもって感じ。

なので個人的には【どれだけの人が重篤化したのか?】を比較するといいとは思うが、共通の基準を作って各国が公開している訳ではないのでそれも難しい。


◆後半のまとめ

結論としてはRをデータから出そうにも、推測するしかない感染者数や死者数を積み上げた上での仮説に過ぎない。ただし僕はこう思う。

日本やフィリピンのRがイタリアやNYのようにオーバーシュートしてしまった国と同じだとしたら、それらの国より先にオーバーシュートしていないと辻褄が合わない。

日本は中国に近く入国制限も他国より遅かった。更に自粛を始めたのも遅いし、4/12時点ではロックダウンもしていない。法的な問題もあって『強いお願い』という状態。それでも感染者数や死者数がヨーロッパ諸国より少ない・・・この事実は受け止めるべきだと思う。

いろんな心配もあって厳しく自粛したい気持ちも分かるが、同時に強い自粛による被害(経済ダメージや自殺数の増加など)もあることは軽視してはいけないと思う。もっともこの点については価値観の問題もあるので異論は認めます。

そしてRを割り出すのは難しいと思うからこそ、僕は西浦さんにR=2.5の根拠を示して欲しいって思っている訳です。


※1:国によっては違うらしいがややこしいので除外。
※2:ただし検査精度があまり高い訳じゃないので偽陰性なども問題もあるので検査をどこまで増やすべきかは専門家でも意見が分かれる。
※3:フィリピンの場合は当初はオーストラリアに検査を依頼してたようだ。
※4:ECMO:人工呼吸器が肺の機能を補助するのに対してこれは肺の機能を代替する。

東京都の実効再生算数に海外流入を入れていいの!?

今回は『感染症専門家チーム』の推定に異論を唱えたいと思う。

こういうことをするのは素人としてとても恥ずかしい。だが誰かに優しく間違いを指摘してもらえることを期待してまとめてみたいと思う。

結論から言います。

『東京の新規感染者の約3割は海外からの流入で、それを実効再生算数にそのまま反映させるのは間違っている』と僕は考えています。理由を順番に話します。

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感染症専門家チームは[3/21-30の東京の実効再生算数を1.7]と推定しています。

3/20-22には3連休があり、東京の感染者数がドンドンと増えていって非常事態宣言が出されたワケですが、その間でも海外ではアメリカやヨーロッパなどで感染者は増えています。東南アジアでも増えていて邦人の帰国は増えているものと思われます。1ヶ月前とかに比べ帰国者の陽性率は高くなるのも自然なことです。


僕は『感染者の1/3は外国人』だという噂は聞いていましたが、それ自体はデマでした。が、新規感染者の中で海外から帰国する邦人(外国人もいます)が多いこと自体は事実です。

みなさんの多くは東京の感染者数を、都内の最新感染動向で見ていると思います。

stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp

 

ですが、残念ながらこのサイトには、海外からの流入については書かれていません。そこで調べてみると、東京都感染症情報センターというサイトがあり、そこから数字を出してみました。ここは様々な感染症のデータがあるのですがその中に新型コロナウイルスについても記述があります。

【東京都の新型コロナウイルスの感染者数】

▼2020(12週) 3/16-22 ・・・・47名(国内32名)
▼2020(13週) 3/23-29 ・・・  278名(国内191名)
▼2020(14週) 3/30-4/5 ・・・641名(国内497名)

東京都感染症情報センター » 東京都感染症週報

 

(いちおう上の対策サイトと数字を照らし合わせてみましたが、誤差は20-40ほどあるようですが、無視していい数字だと思いました)

国内が約7割。残りは約3割は海外と考えるのは自然だろうと思います。
(ちなみに専門家チームの提言にも[海外からの移入]について記述があります<P2>)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000617992.pdf


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さて僕たちはどうして東京都の実効再生算数(R)について神経を尖らせているのでしょうか?それは東京都内で感染者がどの程度増えていくかによって医療崩壊を起こしたり自粛をどの程度すべきかを考える必要があるからです。

Rが1以上であれば感染者数は増え続け、それが大きいほど加速的に増える訳です。またロックダウンなどの行動変化が感染者数として数字に現れるのは約15日くらいかかるので厄介だったりします。

チームのクラスター対策班の西浦さんは動画で『なぜ8割の行動制限が必要と考えているのか?』について説明していたりします。

新型コロナクラスター対策専門家 (@ClusterJapan) | Twitter

 

 


Rは東京都内でのいかに感染者が他の人に感染を広げるか?ってことなので、海外からの移入は別枠もしくは割り引いて考えるべきだと思います。


◆ケース1:海外で感染して東京で陽性と分かった時1。本人。
これは東京都内で感染した訳ではないので都民の自粛とは無関係です。

◆ケース2:海外で感染して東京で陽性と分かった時2。他に感染させるか。
海外から感染者が帰国すれば都内で感染を広げることはありえます。だから僕は彼らを無視しろとは思っていません。ですが、帰国者の心理としてこういうのがあります。

『帰国前にいた国もしくは飛行機で感染しているんじゃないか?』という不安。
『帰国者に冷たい世論』に対する不安や怯え。

僕は海外在住なので彼らの心理はよくわかる。東京都民一般よりはかなり慎重に行動するはずです。帰国すれば空港での検査があり、さらには2週間の経過観察などを言われていると思います。


以上のことから、東京都民がいかに自粛しようがロックダウンしようが、海外流入がある限りは新規感染者はその分だけ嵩上げされる(入国されるなって言っている訳じゃありません) またその人数は推定で現在の新規感染者数の約3割あるので無視していい数字ではないと思います。

都内で感染者がどれだけ感染させてしまうか?に関してケース1は実数の1割くらい。ケース2では3割くらいで、実効再生産数を計算するとか、割り引いて考えるべきでは??って思います。

今後、海外にいる邦人で母国に逃げてくるってケースは増えるかもしれません。僕は増えると思っています。それが増えれば増えるほど、東京都民の自粛とは関係なく新規感染者数は増えます。これは間違いないと思います。

分析する上で無視していい項目ではないと僕は思います。

またこれは東京だけの話ではありません。大阪や福岡などは、都市で感染が広がりやすいという側面もありますが、それだけ帰国者の帰ってくる空港があったりして陽性が見つかりやすい場所でもあるでしょう。

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(最後に蛇足かもしれませんが) アメーバで例えてみたいと思います。

あなたは水槽の中でアメーバを観察しています。水槽に栄養剤を入れた状態でアメーバがどれくらい増えるのかに興味がある訳です。もし僕がその水槽に他のアメーバを入れたらどう思いますか?『ちゃんと観察できないじゃないか!』って思いませんか?

それとも僕が入れたアメーバも含め、アメーバが増えたの事実だからと増えた事実だけ考えて観察を続けますか?僕は毎日新しいアメーバを水槽に入れますよ。あなたの入れた栄養剤が多いか少ないか、あなたはアメーバの増え方で調整したいのだけど、僕はそれを台無しにしてしまいます。


P.S. この記事に間違いがあったら優しく指摘して下さい。


もしフィリピンの大統領なら。

僕はドゥテルテ大統領は決断が早くリーダーシップがあると思っている。ただ政策に関しては異論もある。今回は仮に自分が大統領なら何をするかを考えてみたい。あくまで思考実験のようなもの。僕はフィリピンの決断に賛成はしていないが決断を尊重してそれに従っている。


第一章 ◆新型コロナウイルスに対する認識。

A:感染拡大しはじめた場合に医療崩壊は避けられない。

フィリピンは元々から医師も看護師も少ないし感染症に対応した病院も少ない。庶民が大病した場合は死んでしまう国。それ自体は急にどうこうできるものではない。後でそれでも出来ることを書くが、前提として医療崩壊を覚悟する必要があると思う。

B:封じ込め戦略の難しさ。


都市封鎖による封じ込めは免疫ができないの上、封じ込めが出来ずに感染者が出続けた場合は封鎖を継続するしかなくなる。もしくは封鎖を解除した場合に感染者が再拡大するおそれがあり。それは危機を先延ばししたことにしかならない。

C:集団免疫のリスク。

封じ込めが難しいからといってイギリスのようにノーガード専門もリスクが高い。集団免疫というのは何千万人の感染および何十~何百万人の死者を覚悟することになる。老人が少ないという意味ではイギリスよりマシだがそれでも同じような戦略は危険。

D:都市封鎖のダメージ。

かといって都市封鎖を厳格にすると経済的なダメージが大きくなる。1ヶ月の封鎖で済む保証はなく、延長すればするほどダメージは大きくなる。また経済ダメージとは言っているが、途上国においては『経済と命は直結する』・・・お金がないから親の薬が買えないとか、仕事がなく食料もないから栄養失調になるとか、強盗をする。暴動に発展するといったことは考えられる。難しいのは中流以上にはその危うさがイマイチ伝わらない点。

 

 第二章 ◆経済と病気の被害をバランスさせる第3の道。

E:封鎖はエリアごとにする。感染度におうじて制限する。

マカティ市、タギグ市、といった具合。ただし広いケソン市などは2つに分けた方がいい。またその中でもエリアは分け、感染者の数に応じて、厳しさを調整する。


F:若者を中心にグループに分けて屋外の公共事業を爆進させる。

このウイルスの1つの特徴は若者は感染しても重篤化しにくい。なので30才未満を中心に30名ほどの労働者を集め、高速道路建設や地下鉄工事などを進める。そのサポートとして10名ほどを加え、建築の指導係(これだけはプロでないと務まらないから中年(40才未満)でも仕方ない)を5名ほど。合計50名前後で行動。

サポートは食事の準備や生活の世話。加えて各スタッフの健康チェックをする。

-- F2 : 風邪症状があった時、軽い場合は継続勤務(免疫獲得を目指す)、熱などがある場合は隔離して様子をみる。<風邪症状がある人は後の抗体検査の優先検査対象>

--F3:事業目的は渋滞がない内に工事を爆進させ、雇用を生む。また公共事業だけでなく、民間のコンド建設なども、屋外が中心の場合で人口密集がない場合は認める。年令は上に準じて基本的に若者。ただし症状の報告義務あり。


G:ハイリスクな業態は基本的に禁止。もしくは制限する。そのサジ加減はEで示した感じでエリアごとの感染者数で決める。例えば1週間新規の感染者がゼロだった場合には全て許可する、感染者数が10名~100名だと、ハイリスク禁止。飲食店の座席間隔はあけるとか、テイクアウトのみとか。5段階くらいに分ける。

H:勤務地、Eに従って、同じエリアのみ勤務可能。ただし隣接した2エリアが封じ込め成功した場合は、2エリア間の移動を段階的に認める。ジプニーの人数は減らすとか、職場の人数も人口密度を制限するとかする。また当面はプライベートな車移動は禁止(段階による)。バイクは可。


I:隔離するのはむしろ老人。

各地域ごとにホテルを借りて、ハイリスクに位置する老人を何ヶ所かに分けて隔離。
中年で糖尿病があるとか准ハイリスク層は、その施設で食事の提供などをする。

家庭内で高齢者を隔離できるような部屋がある人達は例外。基本的には大家族で生活して家庭内感染のリスクが高い高齢者向け。

外国人入国は当面禁止するので、ホテルは既に入ってる外国人の滞在用と、高齢者の各利用と分ける。これは隔離政策であると同時にホテルの経営支援の意味もある。加えて病院の近くには医療関係者用のホテルも用意する。それぞれは分ける。


第三章 ◆対感染症の方針。

J:感染症の専門家チームの力不足。

フィリピンDOHを見る限り、データの集約が遅い。これはマンパワーの不足もあるが、システムの問題も大きい(能力不足) データは戦略を練る上での肝であり、ある意味で医師や人工呼吸器より重要。日本や韓国に専門家の派遣もしくは遠隔での助言や指導を求める。

K:医療崩壊に備える。

--K1:感染者用の病院とそれ以外の病院に分ける。医師や看護師でも糖尿病があるなど感染した場合のリスクが高い人達は、一般病院で従事。若いもしくは中年でも健康な人が中心になって感染者用の病院に勤務。

--K2:人工呼吸器の導入・・・も大事だが、より大事になるのが、スタッフ用の感染防護グッズ。事前に使い方の指導を受ける。数に限りがある場合は中年の医師の着用を優先する。また感染者治療用の病院とは別に、重篤者を見守るだけの野戦病院的な施設も必要。ここは若い看護師が中心。換気などを重視。点滴などはするが呼吸困難などになった場合は諦める。酷いと思うかもしれないが、治療キャパを越えた場合はそうするしかない。これもトリアージの1つ。

--K3:医療サポート・・・若いスタッフを採用し、医療従事者の食事の準備などを行う。また近くのホテルまでの送迎なども行う。できるだけ医療従事者が業務に専念してもらえるように雑務を引き受ける。

L:検査の方針。

途上国なので検査キャパが少ないのは仕方がない。どういう人を検査し、どうやってキャパを増やすのかは専門家と相談。

M:風邪症状がある場合。
自宅で隔離ができる人達(主に中流以上)は自宅待機。そうでない場合家庭内感染の恐れがあるので各バランガイ内で隔離施設を用意する。重篤化リスクの少ない若者。熱などがなく元気な場合は、Fのチームに組み込む。Fの目的は経済活動をするのと同時にローリスク層だけ集めてその中での集団免疫の獲得を目指すことにある。


L:抗体検査の試験的導入。

--L1:このウイルスのワクチンができるまでは1年以上かかる。それが途上国の国民の多くに接種できるまではさらに1年以上かかるだろう。基本的には最初は副作用のリスクも高く量産体制が整うまでは高価。なので先進国から導入されていくだろう。

そしてウイルスとの戦いは長期戦になることが考えられ、むしろ後半で重要になってくるのはPCR検査よりも抗体検査であると僕は思う。

--L2:抗体検査は既に実用化されている。検査はIgMとLgGがあり、簡単にいえばIgMの方は感染初期に出来る弱い抗体で、感染中の参考になる(あくまで参考)、LgGの方はあとで出来る強い抗体。こっちが陽性だった場合は当面は再感染のリスクが少ない。あえてこれは『無敵の人(X)』とここでは呼ぶ。

--L3:抗体検査の体制が整った場合は、Fで風邪症状があって、それが完治した人から、抗体検査をする。陽性だった場合。Xと認定し証明書を発行し、今までと別扱いにする。

どういうことかというと・・・。感染リスクが極めて低いのだから、様々な業務に従事してもらえる。極端な話だが、新コロの感染症用病院の食事配膳係とか送迎係とか。ただし衣類などにウイルスが付着したりはするので消毒などの指導はする。

--L4:入国基準緩和。当面は外国人の入国を禁止するが、Xの場合、つまりLgGの抗体がある外国人は入国を認める。パスポートに証明書を添付する。

--L5:Xを中心に経済活動を増やし、稼ぎ、様々な費用を捻出できるようにする。


M:BCG予防接種の導入。

BCG予防接種歴と新コロの感染の広がりに逆相関があるとされ世界中で研究が進んでいる。まだエビデンスレベルは低い段階だが、予防接種が免疫力を強化するという報告も中にはある。またBCG予防接種自体は世界中で行われているので導入コストが高くないと思われる。

一般的には予防接種は長期になると効力が弱まるとされるので、大人に対して今から打って、免疫力が強化される可能性を信じて、研究も兼ねてい、いくつかのグループに打ってみる。1つは新コロ対応病院のスタッフ(別の同系統病院と比較)、1つは感染者が出たエリアの他の住人・・・といった具合。



第四章 ◆支援の方針。

N:配給および支援金。

バランガイによって配給の量が違い、配給に遅れが見られる。また政府からの支援金はなかなか届かない。

そこで基本方針として、国民への支援金はG-CASHで支払う。バランガイは住人の名簿を作成しつつ、住人へのG-CASH導入を順番に教えていく係になってもらう。

それに対して、配給を2つに分業する。名簿を元にコメや缶詰などをまとめて調達するのが軍に担当してもらう。軍により運ばれた物資を、分配する役割はバランガイに任せる。それにより、配給の透明化がはかれる。加えて名簿の作成は幼児の人数の把握にもつながり、それによって配給も粉ミルクや紙おむつなども出来るようになる。分業によりバランガイ単独でするより早く配給ができる。

O:電子マネーの活用。

送金は名簿ができしだいG-CASHで政府から直接国民に配られる。

またこれは迅速にくばる目的に加え、国家戦略として、キャッシュレスを実現するための布石でもある。フィリピンは国内外の送金が多く、多くの国民が高い送金手数料と膨大な時間を無駄にしている(業界の反発はあるだろうけど) また通貨は種類が多くジプニーのドライバーなどが運転中に金銭授受をするなど危険で面倒。なので国民に電子マネーを使う土壌ができれば、順次公共サービスも電子マネーに対応していくべきだと思う。


最後に。

新コロ対策に万能な策はない。途上国にとっては感染による健康被害もさることながら、経済ダメージによる二次被害も甚大だと思われる。加えて国民におカネを配るにしても通貨を刷りすぎれば通貨安により対外債務は増えたり、インフレになったり国民が苦しむ。残念だけどサンデル教授の『トロッコ問題』だと考えるしかない。正解はない。何を重視するかはそれぞれの倫理観や価値観の問題になる。

そんな中でいかに全体をバランスさせ、それを次に活かすのか自分なりに方法を考えてみたのが今回の記事。これが実際の政策に活かされることはないので思考実験と思ってもらえればいい。

また僕は僕で今のフィリピン政府の方針に従って自宅待機しつつ、隣の集落に送金して支援物資を配ってもらったりを続ける。政府の支援金が遅れるようならもう1回送金することになるだろう。庶民は疲弊してる。カネが尽き人は食料が尽き、困っている。

普段は借金がある人がいても『大変だねぇ』って思いつつスルーしていた僕も、ここまで緊急だと動かずにはいられない。友達とか知り合いだったりするので、既に10万円以上は使ったが、そのカネがなくても僕の生活は特に変わるものではない。だがP2000とかのおカネが今あることで彼らは食事を抜く回数をへらすことができ、子供にミルクを与えることができたりする。

おそらくは今まで一番、有意義なおカネの使い方だろうと思う。

ただ残念なのは限られた友人&知人しか支援できないところ。フィリピンという国家がこれから状況が少しでも好転してくれることを願わずにはいられない。


新型コロナウイルス 3/29の雑感

とりあえず個人的には平和な日々です。

電気も水もネットもある。外出できないのは残念だけど、洗濯も料理も普段からしている。食材は平時から隣の集落を支援できるように多めに備蓄してある。その上、支援物資として買ったものも外出禁止によって渡せなくなり、家にある。

【主な食材】コメ(推定15kg)・パスタ2kg・インスタント麺(ほぼ1箱)・ツナ缶・コーン缶・パエリア缶(ほぼ1箱)・牛乳(1L ✕ 8)・ジュース(1L ✕ 10)・ハム1kg・ベーコンとソーセージ各300g。冷凍野菜(推定2kg)。シリアル類(推定3kg)。その他、乾物、チーズ、チョコ、お菓子 etc...。

例えば1週間後に不足するとしたら野菜・果物・パンだが、贅沢を言わなければ備蓄分でまだそれもしのげる。庭に少量ではあるが韮もある。

他にもアルコールやトイレットペーパーも普段から買い溜めしてある。

 

加えて、納豆は作れるし、必要であれば小麦粉があるのでヌードルメーカーで製麺もできる。フィリピンペソも新コロが問題になり始めた頃に増やしたし、大家さんに頼んで銀行で両替もしてもらい更に増やし、G-CASHを始めることで集落の友達の支援も再開することができた。

また大家さん家族が中庭を挟んだところにあり、必要であれば会話もできるし、シニガンをもらったりパスタを持っていったり交流できる。予想以上に僕個人は今回のクライシスにダメージを受けていない。


ただフィリピン人の友人・知人の中には深刻なダメージを受けている人達もいるので、それなりに支援しているので少し支出は増えたけど、別に普段から贅沢はしないからそのくらいのおカネはある。

 

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さて今日は【1:数字の中身】って話と【2:新コロのニュースに僕らは神経を尖らしている】って話をしようと思う。

 

 

【1:数字の中身】


新コロにおいてはフィリピンも東京も感染者数が増えている。

A:東京の場合は感染者数がドンドンと増えれば都市封鎖もありゆるってことで小池都知事が記者会見をして自粛を呼掛けたりしている。にも関わらず東京の新規感染者数は60名ほどに増えている。

感染者の増加は『人間の命』や『病院のキャパ』にとっては残念なことではあるが『都市を封鎖しなければならないのか?』あるいは『東京で感染爆発があるのか?』という意味においては中身が大事。

それは『市内感染がどれだけ増加傾向にあるか?』という点。東京の場合は約半数が院内感染であり、市内感染の増加傾向に変化が生まれた訳ではない。院内感染はそれ自体が全体を捕捉しやすいからだ。


B:フィリピンの場合。こっちも感染者数が急激に増えてきている(3/27に約100名増えた) 前日より大幅に増えたから。マスコミが勉強していたら政府にちゃんと質問するのだろうが、そういうのがなかなか見つからずイライラした。これは都市封鎖を1ヶ月で解除できるかどうか(もちろんその裏には感染爆発の危険がある)にとっては重要で、そろそろ封鎖から2週間が経つので封鎖の効果を期待していた僕らにとっては驚きであった。

僕は原因を探したがフィリピン当局の情報開示がイマイチで原因はわからずじまい。新規の感染者がどのエリアなのか??あるいは院内感染なのか、集団感染なのか、あるいは検査キットの精度の問題なのか(そういう報道があった) それが分からなかった。

その翌日(3/28)に更に300名ほど増えた。これには驚いた。予想外。ただ政府の報道官?から原因として【検査体制の拡充によるもの】といった説明があった。

詳しく知りたいところだが、それでも理由が知れて良かった。今までから感染者が急激に増えた訳ではない。今までの検査体制が弱く、感染者の発見が遅かっただけという解釈でいいと思う。それはつまり、積み込まれた荷物の発送が遅れたようなもので、体制が整った直後は蓄積分だけ多めの数値がでるはず・・。

この体制が落ち着くであろう2日後くらいから感染者数の増加が収まるのかが見どころとなる。そろそろ封鎖の効果がでてもいいはず・・。

封鎖自体は経済的な損失や人の自由について犠牲を払いつつ、物理的に接触を断つ訳だから、それ自体に効果があることは間違いない。それでももし増えるとすればそれは僕たちが思っていた以上に既に感染が広がっていたことを意味するのだろうと思う。

感染が落ち着かない限りは封鎖解除は難しいだろうから、今後も注目していきたい。


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【2:新コロのニュースに僕らは神経を尖らしている】

ニュースには重要度の高いものと低いものがある。例えば愛知県で初死亡例といったものは、一般視聴者にとってはそれなりに気になることなのかもしれないが、感染爆発を分析する上では正直どーでもいい情報。それは感染者がそれなりに増えれば死者が一定の割合で出てくるのは自然だからだ。

僕らは新コロのニュースに敏感になっている。インフルエンザでは1万人くらい感染してもニュースにはならないし、1000人くらい死んでも例年通りなので誰も気に留めない。新コロの場合は爆発的感染拡大が警戒されるとかいろんな特殊性があって100名未満の死者でもみんなが怖がっている。

フィリピンにおいても都市封鎖がされ飛行機が止まったりしてみんなな新たなニュースに神経を尖らせている。それを僕が強く感じたのがNAIAにおける飛行機事故のニュース。

これはチャーター機で患者を東京に運ぶ時に離陸時に事故をして乗務員や医師も含め8名が死んでしまったという事故。これはTwitterでまたたく間に拡散された。

だが、たまたま乗せていたのが(おそらく新コロの)患者 というだけで、基本的には小型チャーター機の飛行機事故に過ぎない。これがもし、平時においてのニュースならここまで拡散されることはなかっただろう。このくらい少人数の事故はときどきおきているから。

僕らはそれだけ新コロのニュースに神経を尖らせているのだろうと思う。


新型コロナウイルス 3/28の雑感

フィリピンの感染者数が1075になった。1000を越えたことよりも気になるのが+272という増加数が大幅に増えたこと。前日の3倍くらい。そろそろ封鎖から2週間がたち効果が出てきても良さそうな頃なのに『なぜそんなに増えたのか?』

 

・・・・増えたこと自体も問題だが、それについて考察が一切ないのが大問題だと僕は思う。

検査体制を整えて検査数が増えたからなのか??あるいは院内感染やどこかで集団感染があったのか??僕は英語はそんなに得意じゃないのに検索して各ニュースサイトの記事を見たがどこにも書かれていなかった。記者は何をしているだ??

 

フィリピンの感染症の専門家チームとかのリーダーは何をしてるんだ??疑問だらけ。


フィリピンは医師や看護師が不足していると言われる。それはそうだろうと思う。だが、もっと重要なのはそれらを統括しデータを分析し戦略を立てる司令塔の部分。僕はここの能力にかなり不安を持っている。できれば日本の専門家を1人、引っ張ってきたいくらい。

僕の印象は『感染症の専門家不在』だったりする。

なぜ問題なのか?


◆問題1:データ更新が滞っている。

戦略を立てる上でデータは命とも言える。DOHのサイトにおいてどのエリアでどんな感染者が増えたのか?といったデータの更新が滞っている。データがなくては封鎖を解除していいのか延長すべきなのかの判断ができなくなる。

また新規感染者の情報とかも、うまく集約できる仕組みが作られていない。
DOHには感染者MAPがあるが、あれは病院ベースのMAPなので感染者がどこで発生したのか本当のところは分からない。

http://www.covid19.gov.ph/



◆問題2:院内感染。

もともとフィリピンの医療体制が脆弱なのは知っていた。陰圧室と呼ばれる感染症対応の病室が少ないことも仕方がないと思う。ただ医師らの感染は防具とその使い方の指導が適切にされていればかなり防げたと思う (日本の感染症医がそういった主旨のことを言っていた)

また逆にそれが揃えられないのであれば中高年の医師は感染症対応から外れるべきだったと思う。もちろん人命は大事だが、それは医師の人命も同じく大事だし、医師が死ぬことによってその医師が救えたであろう交通事故の患者などが救えなくなったりする。単純に新コロだけを見てはいけないと思う。


◆問題3:各バランガイの対応が闇雲。

例えば日本の場合、学校が休校になって、公園で子供たちを遊ばせる人達が中には出てきた。それに対して『休校なのにどうなのよ!??』って意見がでてきたが、専門家チームが『公園はOK』という見解を出して落ち着いた。

公園は屋外で換気がいい。加えて人混みではない。少しは子供たち同士の接触もあるし、遊具を触ったりはするが、その段階の感染者数とかから考えてリスクは低いと考えたのだと僕は思う。

またもっとリスクが低いのがジョギング。感染症の専門医である岩田医師は、あの武漢においても『ジョギングはOK』といっていた。その発言はよく感染症を理解していない一般人から楽観論としてバッシングも受けたが、あの時点での武漢は道は閑散としていて、飛沫を浴びることもないし、ジョギングなので接触もない。極めて安全性が高いはず。

その一方で、フィリピンは公園も封鎖。外出もドンドンとNGにして家に閉じ込めていってしまっている。もちろん人の接触は減るほどリスクが低くなるが、ずっと家の中にいるとストレスが溜まる。免疫力は落ちるはずで、配給もまともにできないのに闇雲に外出を禁止すればATMでお金もおそろせないし食料は買えないし、その抑圧が長引けば、反発する人が増え、それに対して罰則で対応するとドンドン悪循環に陥る。

それを緩和するために、専門家は各バランガイの自治を尊重しつつもガイドラインをしっかりと示す必要があると思う。

ちなみに僕は食糧不足になりつつある集落の友人とゲートの外で待ち合わせをしてゲート越しに支援物資を渡していたのだが、それも密告によって中止させられた。

その一方でジョリビーなどは大忙しで調理スペースは閉鎖空間で人口密集地であり、しかもみんなが声を出す。食べ物は必要だが、対策がぜんぜんされていない。




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僕はそれなりに情に厚い方だとは思うが、それでも戦略を練る時は、情は分けて考える。危機対応っていうのは『命か経済を選ぶ』という単純なものではなく『どいう人の命を選ぶか、その人達を犠牲にしてでも、別の命を救うか』・・命も経済もいろいろが入り混じった複雑な選択なのだと思う。


僕はフィリピンに新コロ対策の専門家が人材不足なのだと思っている。それは単に途上国というだけではなく、フィリピンの場合は感染症といってもデング熱・マラリアといった蚊を媒介にするものが多く、他にも狂犬病とかで、インフルエンザは通年流行っているといっても数的にはとても少ない。なので新型コロナウイルスに対して詳しい人が少ないような気がする。

加えて専門家といっても、感染症の専門医と、データ分析をする専門はまた別だったりする。データ分析に関しては、より数学的な統計知識や、フェルミ推定的な能力が必要になる。加えて、それら専門家とは別に、経済の専門家も必要になる。封鎖を1ヶ月続けた場合にどれだけの人が失業し、どれだけの店が倒産し、犯罪や餓え、暴動などの可能性も検討しなければいけない。


またフィリピンにおいて問題なのは、政治家や官僚など意思決定に関わる人達のほとんどが庶民層の生活を分からない点だ。政府は支援金や配給を決定したが、とても遅いし量も少ない。その実情を分かっているとは思えない。

各社社会の1つの難しさは上の層と、下の層での理解が極めて薄い点。

中流以上は『スーパーマーケットに食料がたくさんあって良かった。物流も問題なさそう』って思っているが、それはマジョリティーである庶民が失業していて十分な食料を買うカネがないからだということを知らない。


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オピニオンとしては以上。

今日はG-CASHの登録がなんとか終わり、集落の友達に送金ができた。それによって彼は家族やご近所の食料を調達し、支援物資として届けることができた。彼らの写真や感謝の言葉が届くと僕も胸アツだったりする。

また別件で大家さん家族に頼んでいた別エリアの知人にも支援物資が届けれられた。こっちは子供が8人くらいる。フィリピンで庶民生活は大変だがそれがみんなまとめて失業だから人によっては新型コロナウイルス以上にCRISISだと思う。